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2017年10月10日

『ZAITEN』2017年11月号 財界展望新社刊 1,080円

『三菱商事』の正体
顔のない『紳士』たちのエクセレントカンパニー

財界の裏側記事を売り物にしている経済誌が、三菱商事の現状を特集している。

「岩崎弥太郎直伝の政商DNA」など、三菱商事の歴史にも触れていて興味深いが、注目記事は、三菱グループトップの親睦会=金曜会での現在の三菱商事の立場を記述した内容である。

三菱商事自体は今年純利益トップの座を伊藤忠商事から奪還したが、三菱グループ全体の業績は思わしくない。

納期の決まらない国産旅客機(MRJ)、火災に見舞われた大型客船の建造、原発事業への出資などで暗雲立ち込める三菱重工、海外M&Aで特別損金を計上するキリンHDなど、グループ内の中心企業の業績が振るわないのだ。

三菱自工が、2005年のリコール隠しで経営破綻寸前に追い込まれたときは、グループ全体で救いの手を差し伸べた経緯がある。金曜会の存在とはそういう意味があるのだ。しかし三菱東京UFJ銀行もマイナス金利でかつての力はない。グループ内での救済の負担は三菱商事に重く圧し掛かる。

 


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