異能の新卒、求める金融
大手金融機関が、19年度の採用から従来の採用方針を変えてきていると、日本経済新聞(4月13日付朝刊)が誌面で紹介している。
ポイントは「STEM人材」で、S=SCIENCE T=Technology E=Engineering M=Mathematicsを略したもの。今まではゼネラリストを大量採用してきたが、超低金利、AI・フィンテックによる環境変化によって、経営環境も大きく変わっている。それに対応する人材を確保することが狙いだ。各社のSTEM採用対応は以下の通り。
損害保険ジャパン日本興亜=チャレンジコース(一芸入社)
日本生命保険・明治安田生命保険=デジタル専門コース
みずほFG=STEM人材の採用比率を全体の2割に。採用人数は半減
三井住友銀行=クオンツコース、デジタライゼーションコース
三菱UFJ銀行=デジタル人材の採用は、中途採用が主軸
文系採用が中心の大手金融機関は、かつてバブル期初頭に理工系の学生を多く採用したが(というより、給料などの労働条件に理工系学生が飛びついたのが現実)、上手くいかなかった。受け入れ態勢や人材を見抜く力が企業側になかったためだ。学生はそのあたりを十分に見極める必要がある。
一方、やはり文系職場の印象が強い商社、特に専門商社は、この間ずっと一定の割合で理工系学生の採用を続けている。理工系だからと言って研究職・専門職になるわけではないので、学生にとって敷居は低いだろう。