『週刊東洋経済』5月29日号
特集「バブル全史」の中で、
元伊藤忠商事社長・丹羽宇一郎氏のインタビューが掲載
「証言 不良資産の処理 現場の見通しは甘くなる 損は想定の3倍に」
今でこそ財閥系の総合商社と肩を並べる伊藤忠商事だが、20年前にはバブルに踊り、その対応で会社存亡の危機に立たされていた。
その時社長に就いたのが、丹羽である。
膨張した不動産の投融資と1,000社を超えていた子会社の整理を時間をかけて処理していく余裕は、当時の伊藤忠にはなかった。
丹羽は、これを一気に処理しようとした。詳細は本文に譲るが、それが成功したから、今の伊藤忠商事があると言える。
丹羽は『若者のための仕事論』で、「クリーン、オネスト、ビューティフル」ということを強調している。最近のオリンパス、シャープ、東芝の例を挙げるまでもなく、当たり前のことができていない企業の何と多いことだろうか。バブルの教訓が生かせない企業の何と多いことだろうか。『週刊東洋経済』がこの時期に、30年前の「バブル時代」を特集した意味はこんなところにあるのかもしれない。
下記に、東洋経済調べで、どれだけ有利子負債が増加したのか記しておこう。
(1990年3月末の有利子負債が85年と比べてどれだけ増えたか、単位=億円)
1 三菱商事 61014
2 阪和興業 49020
3 三井物産 40248
4 丸紅 38798
6 伊藤忠商事 30003
8 日商岩井 20813
10 住友商事 20599