歴史
1889年に創業者・兼松房治郎が神戸で「豪州貿易兼松房治郎商店」を創業。翌年にシドニー支店を開設し、日豪直貿易の礎を築く。1951年には戦後の日本商社として初めてニューヨークに現地法人設立。それまでの繊維主体のビジネスから脱皮し、総合商社化を推進した。バブル崩壊、平成不況を経て構造改革を行い、財務基盤を改善・強化している。現在の事業分野は「電子・デバイス」「食品・食糧」「鉄鋼・素材・プラント」「車両・航空」の4つだ。
特色・強み
同社が強みとして自認するのは、「総合商社でありながら、事業創造に重きを置く独自のポジション」だ。1人1人が「起業家精神」を持つ自由闊達かつフラットで風通しのいい環境も、特色の1つ。また従業員1人あたりの営業利益が大きく、「少数精鋭集団」を標榜している。創業125年を迎えた2014年には「中期ビジョン『VISION-130』」を策定し、「ICTソリューション」「モバイル」「アジアの食市場」「北米シェール市場」「グローバル・モータリゼーション」「日系メーカー等の海外進出」の6分野を「強みとする事業領域」に選定。そのさらなる強化を図っている。
ビジョン
「健全な財務体質の維持」「収益基盤の拡大」を目標とした「VISION-130」では、「事業創造にチャレンジし続ける企業」というビジョンの実現に向けた意識改革を徹底。2014年度から3カ年の中期経営計画「未来へ繋ぐ、新たなステージへの飛躍」では目標を上方修正しつつ、クリアしている。これを受けて「VISION-130」で掲げた「自己資本1000億円超」の定量目標も、「1200億円超」に上方修正した。「事業創造で成長し続ける企業」という同計画が掲げるスローガンの下、さらなるステージアップに邁進中だ。
風土・人財
「貿易商権を日本人の手に」との信念を貫いた創業者・兼松房治郎。兼松はその精神を込めた「わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す=『創業主意』」の精神、またこれに基づいて1967年に制定された「われらの信条」を、企業理念とする。この企業理念の下に活動していくための指針「兼松行動基準」では、「従業員のキャリア育成や能力開発を積極的に支援するとともに、その多様性・人格・個性を尊重し、活力のある企業風土を醸成する」ことを宣言。ワークライフバランスや女性の活躍の推進にも取り組んでいる。
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