歴史
創業者は伊藤忠商事と同じ伊藤忠兵衛。忠兵衛が15歳で行商を始めた1858年を丸紅創業の年としている。1921年、伊藤長兵衛商店と伊藤忠商店の合併で「丸紅商店」が誕生。金融恐慌も積極策で乗り切って業態を拡大させ、国内産業の発展に貢献した。敗戦にともなう会社解体を経て、1949年に丸紅株式会社が発足。1951年から矢継ぎ早に欧米、アジアへ拠点を展開し、大手総合商社の地位を確立する。バブル崩壊、平成不況を経て「リストラクチャリング・プラン」を断行し、苦境を克服して5期連続の史上最高益更新を達成。さらなる挑戦と飛躍をめざし、価値創造企業として進化を続けている。
特色・強み
「食料ビジネス」では穀物取扱量が総合商社トップ。発電、エネルギー・資源などでも日本最大級の規模を誇る。そんな同社が特に強みとして掲げるのは、まず「バランスの良い事業ポートフォリオ」だ。生活産業26%を筆頭に、エネルギー・金属24%、電力・プラント18%、素材14%と多様な事業が総資産のシェアを分け合う。またこれと並ぶもう1つの強みが「新規投資と利益成長」。着実に強化してきた非資源分野で既存事業の収益力を高めると同時に、2013年から3カ年の中期経営計画ごとに1兆円から1兆3000億円規模の新規投資を行うなど、新たな事業の確立を戦略的に推進している。
ビジョン
2016年に「2020年に向けた丸紅グループの在り姿」を見据えた中期経営計画「Global Challenge 2018」を発表。新興国の成長鈍化、資源価格低迷で大手総合商社が苦戦する世界の現状を「これまでの経営戦略転換期以上に大きなターニングポイント」と位置づけ、5年後の「在り姿」に向けて邁進している。そこで具体的に目指すのは、「それぞれの分野・市場において、世界のトッププレーヤーとの競争に勝ち抜き、地域経済や社会に貢献する真のグローバル企業」。さらにその実現に向けて「強い『個』が結集した強靭なグループ」への成長を掲げている。
風土・人財
5代商社のうち、伊藤忠商事と丸紅が非財閥系。丸紅は社員1人1人の「個」を結集し、独自の存在価値を示すことが常に求められる風土で知られる。2013年には丸紅グループの目指す企業風土を個人の行動に落とし込んだ「丸紅スピリット」を策定。そこでは「大きな志で未来を築け」「挑戦者たれ」「自由闊達に議論を尽くせ」「困難を強(したた)かに突破せよ」「常に迷わず正義を貫け」の5つを掲げている。また中期経営計画「Global Challenge 2018」では「丸紅グループ人材戦略」として、「個々の人材が、仕事に誇りとやりがいを持てる企業グループ」を目指すと宣言。グローバルで勝ち抜ける強い人材を育成・登用するとともに、グループ内のダイバーシティををいっそう推進するとしている。
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