「答えのない」就活で成功をつかむ者とは?
3月14日(火)に開催された「商社・金融ビジネスフォーラム」。そのオープニング講演でES対策を指導したのは、「あさがくナビ」を運営する㈱学情の学校企画部、森郷さん。就活相談コーナーで学生たちの悩みや問いに答える森さんに2018年入社を目指す学生たちの印象やESアドバイスやメッセージを伺った。
――今年の就活生を見た印象は?
森(以下敬称略) 今年、大学を訪問していて感じるのは、学生さんがたいへんのんびりしているということです。就職ガイダンスに出てくる学生さんが多くないのです。就職という現実がもう目の前に迫っているのに、目を伏せて、先のばしにしたいと考えているようです。こうした傾向は下位校にいくほど顕著。ですから、3月になってようやく就活をスタートさせたという学生はけっこう多いと思います。
――就活で成功するポイントは?
森 就活で重要なのは、とにかく「自己分析」と「企業研究」です。自分はどんな人間でどんな志向があり、何をしたいのか。今までの人生を振り返って、それらを明確にしないと、では、「なぜ商社志望なのか」を語ることができません。やりたいことを明確化できれば、企業はそれに応えて、ちゃんと採ってくれますし、また、ちゃんと落としてくれます。
――「ちゃんと落としてくる」とは?
森 大学までは、用意された「正解」に早く辿り着けるかどうかの試験でした。小学校も中学校も高校、大学の入試はすべてレールが敷かれていて、そのレール上を、正解を求めて走ってきたのです。でも、就職はそうではありません。正解のない、まったくオープンな競争になるのです。よく言えば、1つの正解を求めるレールから「解き放たれる」わけです。そのために大学時代に考えておかなければならないのは、「自分はこれからどうやって生きていきたいか」ということです。それが明確になれば、当然、各商社を受けてみて、合うとか合わないとかが、自分でも判断できます。また、企業側も自社に合う人材かどうかが分かりますから、合う企業からは「ちゃんと内定をもらう」ことができますし、合わない企業からは「ちゃんと落としてもらう」ことができるのです。自分がどう生きたいかを明確にしていない学生はいつまでも夢やイメージだけで企業を追いかけてしまい、仮に内定をもらって仕事を始めても、ミスマッチが起こりがちです。
――ESへの取り組み方は?
森 ESは自己紹介する場です。自分らしさをどう伝えるのかがポイントとなります。それには先程述べた自己分析を徹底的にしていないと書けません。どんな書き方でもかまいませんから、自分が最も自分らしいと思う方法や文章で表現してください。対策講座を行っていながらこう言うのもおかしいのですが、ESに「答えはない」のです。最初に申し上げたように、「答えのない」ところで自分なりの答えを見つけるのが人生であり、社会人です。若いですから、違うなと思ったら、やり直せばいいのです。
――「転職」もアリということですね?
森 規模の大小だけでなく、「自分の裁量が大きいかどうか」は企業選びの大きなポイントです。現実問題として、入社してみないと分からない部分もたくさんあるでしょう。就職とは、「人生の入り口」をどこにするかを決めるだけなので、今の時代は転職もしやすいので、まず飛び込んで感じてから考えるという方法もあります。新卒での就職がすべてではありません。取り返しはいくらでもつきますから、臆せず、勇気をもって就活をしてほしいと思います。頑張ってください!
※3月14日(火)東京交通会館12階「商社・金融ビジネスフォーラム」会場にて