歴史
トヨタ車の販売金融を行うトヨタ金融株式会社として1936年に設立。戦後の解散を経て1948年、その商事部門を継承した日新通商株式会社として再出発した(1956年に豐田通商株式会社、1987年に豊田通商株式会社に社名変更)。1964年からトヨタ完成車の輸出を開始。80年代からトヨタのグローバル化にともない、豊田通商も海外販売拠点を展開して世界進出を強化していく。2000年にトーメンと資本・業務提携した後、加商と合併。さらに2006年にトーメンと合併して現在の豊田通商が誕生。インフラ、化学品、食料など自動車以外にも本格進出し、大幅なバリューチェーンの拡大を図っている。2012年にはアフリカに強みを有する仏商社CFAO社に資本参画し、同地域でのアドバンテージをいっそう高めた。
特色・強み
「トヨタグループの企業」「総合商社」という2つの顔を持つ豊田通商。トヨタグループのDNAを有する点がほかの総合商社にない特色だ。同社は合併により、自動車分野に強い豊田通商とそれ以外の分野に強いトーメンの知見及びネットワークのシナジーを発揮してきた。現在は内外60カ国以上で約1000社のグループ会社を展開し、多岐にわたる商品・サービスを多様なビジネスモデルで提供している。その豊田通商が自らの強みとして掲げるのは、「現場に根づいたバリューチェーン」。さらにTPS(トヨタ生産方式)をベースとした原価低減・改善機能を備える組織を有し、物流・生産・業務プロセスでの総合的改善活動を、自社の事業拠点だけでなくさまざまなパートナーや顧客にも拡大させている。2012年に資本参加した仏商社CFAO社とともに、アフリカ53カ国をカバーする事業ネットワークを展開するのも大きな強みの1つだ。
ビジョン
2016年に企業ビジョンとして「Global Vision – 次の10年に向けて」を発表。これまで強みとしてきた自動車分野をイノベーションの起点に、生活環境の向上や地球課題の解決に貢献できる企業を目指している。同ビジョンに基づいて成長分野に位置づけるのは、「モビリティ分野」「ライフ&コミュニティ分野」「アース&リソース分野」の3つ。また同社は「全ての豊田通商グループ役職員が共有すべき価値観・行動原則」として「豊田通商グループウェイ」を掲げている。その柱は、「商魂」不屈の精神・進取の精神、「現地」「現物」「現実」真のニーズの追究・PDCA(Plan, Do, Check, Action)の実践、「チームパワー」個のパワー・チームワークの3つだ。
風土・人財
経営戦略としてグローバルダイバーシティ & インクルージョンを推進。なかでも柱とするのは「多様な全ての人材が活き活きと働き能力を発揮し続ける風土・職場作り」だ。そのほか「チャレンジする風土」「世界中の優秀な人材が縦横無尽に活躍できる風土」「お互いを尊重し合うことができる風土」などを掲げ、事業及び人財育成にあたっている。人事面では社員の異動希望に可能な限り対応する「チャレンジローテーション」、企業ビジョンの実現に向けて努力した組織や人を毎年選出する「表彰制度」などが特徴。また「グローバル人材育成の3軸」という方針の下、異文化コミュニケーション・異文化マネジメント研修、「イノベーションリーダー育成塾」、豊田通商グループウェイに基づく「ウェイ・リーダーシップ」の獲得といった独自の教育・研修制度を整備している。
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