商社の仕事人(60)その1

2018年07月9日

長瀬産業 荒井慎吾

 

人との繋がりを武器に

最先端技術で世界を変える

 

 

【略歴】
荒井慎吾(あらい・しんご)
1975年大阪府生まれ。中央大学商学部卒。2000年入社。

 

どんなビジネスもまずは〝人〟

「トラブルこそチャンスなんですよ」

屈託のない笑顔で荒井はそう断言する。長瀬産業に入社して11年。常に人と人との結びつきを重視したビジネス作りに邁進してきた。従来までは存在しなかった新しい商材を誕生させるには、本来なら出会うことのない人と人の橋渡しをする役割が不可欠だ。そこに商社の存在意義があり、商社パーソンとしての醍醐味がある。荒井にとって、人とコミュニケーションを図り、人を攻略し、結果としてビジネスが成り立つその瞬間がたまらなく面白いのだという。だからこそ、〝トラブルはチャンス〟という言葉も出てくるわけだ。

「例えば、私がA社の商品をB社に納品したとします。けれど、A社の商品にトラブルが発生してしまった。そんな時は、私がB社に真っ先に駆けつけます。だって、お客さんに直接会えるせっかくの機会ですからね。メールで情報をやりとりするだけで事足りるような場合でも、とにかく顔を出す。そして、お客さんの顔を見て話をして、とにかく誠心誠意トラブルの解決に努めるんです。商社の若造がスーツを脱いで、Yシャツ1枚になって四苦八苦しながら装置を直している姿は、何百通の丁寧なメールよりもお客さんとのつながりを深めます。もちろん、わざとそんな姿を見せているわけではありませんが、どんな大きな最先端のビジネスでも、結局は人と人とのコミュニケーションから出来上がっていくもの。だからこそ、面白いんだと思うんです」

長瀬産業に入社した年、ヘルスケア事業部のメディカルケア製品部に配属された荒井は、主に放射線の管理機器などを取り扱っていた。官公庁や独立行政法人、そして国立の研究機関が取引先となる。当然ながら、相手は医師や医学系の研究者。彼らはその道の専門家であり、話の中では専門的・技術的な単語が多く、最初のうちは、コミュニケーションを図るのも四苦八苦だったという。

「製品を紹介したいと思っても、話すら聞いてもらえないのが当たり前。〝何か気になるものはありますか?〟〝ないね〟と、とりつくしまもない状態でした。でも、難しいことほど闘志が湧くタイプなもので、〝じゃあこれはいかがでしょう! 次回に見積もりをお持ちします!〟と何かしらの宿題を勝手に作って、いらないと言われても〝まぁ、見てください〟と言って、また伺うんです(笑)。でも、すぐに見積もりは見せずに、世間話をして引き上げる。また伺う。そんなことを繰り返しながら、何度目かの訪問で見積もりを出すと、お客さんとの距離が縮まっていて、コミュニケーションが図れるようになってきます。仕事だからやっているというよりも、人の攻略が楽しかった。どんなことでも、まずは人とのつながりですから」

⇒〈その2〉へ続く

 


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