商社の仕事人(60)その4

2018年07月12日

長瀬産業 荒井慎吾

 

人との繋がりを武器に

最先端技術で世界を変える

 

 

ケミカルの川上から川下まで網羅したビジネスを

現在の荒井は、スマートフォンや携帯電話、デジタルカメラなどの中小型液晶ディスプレイ製造メーカーに対する、各種光学フィルムの提案・販売を担当している。年間およそ100億円を超える取引がある、大きな仕事だ。

「今でもX社やY社との仕事は続いていて、各社の担当者とは一言言葉を交わすだけで仕事が回っていくような関係性を築いています。『あうん』で進めてしまえる関係は、本当は良くないんですけどね(笑)。やっぱり新しいビジネスを作り上げていくにはコミュニケーションの積み重ねが大切ですし。けれど、そんな関係があるからこそ、ひょんなことから大きなビジネスも生まれたりしています」

例えば、海外拠点をもつ日系ガラスメーカーが光学フィルムを探しているが、その条件が非常に難しい。そんな相談が、長瀬産業の現地法人から荒井の耳に届いたりもするのだ。そこで荒井は、入社11年で築き上げてきた人脈を駆使して、最適な商材を用意してみせる。しかも、通常はロール状態で納品するフィルムを、長瀬産業の世界中のグループ力を駆使して扱いやすいようにカットして提供するのだ。

「その間には、いろいろな工程に携わる会社やスタッフにお願いをして回るんですが、文句を言いながらも皆さん、きちんとプロの仕事をしてくれます。知恵や技術を持つことは大前提ではありますが、やはりビジネスの肝は人と人とのつながりだと、実感を強くする毎日です」

場と物と人を結びつけ、グローバルなフィールドで従来にはなかった物を提供し続けている荒井。最後に、これからの夢についてこう語ってくれた。

「ケミカルという分野の川上から川下まで、あらゆる機能を長瀬産業は持っています。それを最大限に活かしたビジネススキームを、新たに創出していきたい。例えば、ひとつのスマートフォンのすべてが長瀬産業提供の部品でできている、ということも可能なはず。そのためにも、最先端の技術開発を続けながら、有機的なつながりをさらに強化してビジネスを作り上げていく。そんなシステムを作りたいと思っています」

 

学生へのメッセージ

「絶対に妥協をしないこと。これが就職活動の基本だと思います。大企業で大きな仕事の一部を担うことが適している人もいれば、小さな会社でひとつの仕事を丸ごと請け負う方が自分を活かせる人もいるはずです。それを見極めなければ、たとえ就職ができたとしても良い結果にはつながらないでしょう。私にとって長瀬産業は、懐が深くて無限の可能性を秘めたやりがいのあるフィールドです。ケミカルの最先端を追い求めながら、更なる高みを目指したいですね」

 

荒井慎吾(あらい・しんご)

1975年大阪府生まれ。中央大学商学部卒。2000年入社。就職活動とは、企業が望む人材に自分を近づけるのではなく、企業が自分に合っているのかを見極める時間であると断言する。

 

『商社』2013年度版より転載。記事内容は2011年取材当時のもの。
写真:葛西龍

 


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