歴史
1858年、創業者の初代・伊藤忠兵衛が麻布の行商を始める。1918年、二代目・伊藤忠兵衛が伊藤忠商事株式会社を創立。同年にはニューヨーク出張所も開設した。丸紅商店・岸本商店との合併を経た後、1949年に再び伊藤忠商事株式会社となる。1952年に米法人を設立、また1972年には中国で総合商社として初の「友好商社」に指定される。現在は世界63カ国に約120の拠点を展開。繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野で三国間取引を行うと同時に、国内外での事業投資など幅広いビジネスを手がける。2016年3月期決算では純利益で総合商社大手5社中トップに立った。
特色・強み
5大商社のうち伊藤忠と丸紅の2社が非財閥系。もともと重厚長大産業と結びつきが強い財閥系と異なり、繊維を出自とする伊藤忠はより消費者に近い分野で強みを発揮し続けてきた。2013年からの中期経営計画でも「非資源No.1商社」のスローガンを掲げ、他社が資源ブームを謳歌するなか非資源分野での重点投資に注力。これを礎に大手商社トップの座を奪取した。また「中国最強商社」を自認する点も大きな特色。2015年1月にはタイ最大の企業グループCPとともに、中国最大の政府系複合企業グループCITICに計1.2兆円の投資を敢行。中国での長期的なプレゼンスをさらに大きく高めている。
ビジョン
企業理念は「Committed to the Global Good 豊かさを担う責任」。「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」を実践した初代・伊藤忠兵衛の精神を土台としつつ、「先見性 Visionary」「誠実 Integrity」「多様性 Diversity」「情熱 Passion」「挑戦 Challenge」の5つを創業以来受け継ぐ「ITOCHU Values(伊藤忠の価値観)」とする。「非資源No.1商社」を掲げた前中期経営計画は、最終年度で5期連続の期初目標超えを達成。続く新中期経営計画「Brand-new Deal 2017」では「商社新時代をリードする全社員活躍企業」のスローガンを掲げ、史上最高益の更新に向けて邁進している。
風土・人財
「非財閥系の雄」を自認し、財閥系に比肩する商社を目指してチャレンジを重ねてきた伊藤忠。その商人魂を持つ人財を自ら「野武士集団」と評し、自由闊達な風土で発揮される「個人の力」を自社の強みと位置づけている。そんな姿勢を象徴するコーポレートスローガンが、「ひとりの商人、無数の使命」。これは同社社員1人1人が創業以来の「商人魂」を原点として「個人の力」を発揮し、「三方よし」の「より善い商い」で社会に対する責任=「無数の使命」を果たしていくことを宣言しものだ。また人財面では「『攻め』を支える人材戦略」を標榜し、2010年から全世界で海外収益拡大を担う優秀な人材の採用・育成・活用・登用を行う「タレントマネジメントプロセス」の仕組みを構築。さらに「連結」「海外」「現場力」を強化ポイントとする多彩な人材育成制度を実施している。
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