商社の仕事人(8)その4

2020年03月16日

伊藤忠丸紅鉄鋼 栗田貴史

 

全力で

「人と人との取引」に邁進する

 

 

ビジネスの裏にある人と人とのつながり

栗田は、会社に対する自分のスタンスというものを確立している。それは、会社とは常にある程度の距離感を持ちながら仕事をするということである。

「会社にある程度の距離感を持つということは、会社を客観的な立場から見つめることができるということです。そうすることによって、その時々の会社の状況を理解し、業績を上げ結果につなげていくために仕事に一生懸命打ち込むマインドが身に付きます。そのような姿勢を若いうちにきちんと身に付けることができたのは、自分にとっては貴重な経験であったと思っています」

そして今、栗田は、様々な経験をすることができたし、楽しく仕事しているから、それはそれでいいかなと思っていると言う。実際、栗田の表情には充実感がみなぎっている。しかし、そんな栗田は、10年後、20年後のことなんか考えても仕様がない、と前置きしながらも、こんな抱負を語ってくれた。

「今の仕事が終わったら、もう一度、海外の事業会社に行きたいですね。インドネシアの事業会社で働いている時は、明らかに自分が勉強不足で、海外のことも、お客様のこともよく知りませんでしたが、今はいろんな経験や勉強を通してそれなりに知識を蓄えているし、自分の考え方も変わってきていますから、きっと以前とは違ったアプローチで仕事ができると思っています。営業部長として行くことになっても、利益を上げることに貢献できるだろうし、社長としてだってきっとやっていけるんじゃないかと思っています。あとは、もう少し人間として成長し、もっと魅力的な人間だと思われるようになりたいと思っています。お客様に、『栗田ともう一度話をしたい』とか『栗田ともう一回会って、食事したい』と思っていただくことが非常に重要だからです」

商社の存在意義は人と人との取引にある。それは栗田の確信するところであるが、グローバリゼーションが急速に進展する今こそ、改めて見直すべき「原点」であるのかもしれない。

 

学生へのメッセージ

「商社というのは、人と人との付き合いがあるからこそ存在しているのだと思います。人と話をするのが億劫だと言う人や好奇心のない人、海外に興味のない人だと、たぶん商社で居場所を見つけることができないでしょう。なぜなら、そういう人は一緒に働く人たちや取引先、お客様を戸惑わせてしまうだけだからです。逆に、やる気のある人、人と話をすることが好きな人、好奇心のある人であれば、商社にはいろんなことが体験できるフィールドがありますから、絶対に面白さを感じてもらえると思います。伊藤忠丸紅鉄鋼には尊敬できる、魅力的な人がたくさんいますから、そういう人たちにぜひ来ていただいて、思いきり活躍してもらいたいと思います」

 

栗田貴史(くりた・たかふみ)

【略歴】
1975年島根県生まれ。東京大学工学部地球システム工学科卒。1998年丸紅入社。2004年に伊藤忠丸紅鉄鋼に転籍。

 

『商社』2016年度版より転載。記事内容は2013年取材当時。
撮影:葛西龍

 


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