第一実業 柳澤保則
日本のエネルギー問題の
解決に尽力
新たなエネルギー開発への挑戦
現在、柳澤は地熱発電の分野に活躍の場を移している。近年、こちらにも熱い注目が集まり、国家プロジェクトとして開発が進められているエネルギー分野だ。実は第一実業は地熱発電開発にいち早くかかわっており、この分野でのリーディングカンパニーとなっている。
「現在は大規模なプロジェクトの一端を担っており、地熱の掘削用の機材から、地上における発電装置まで手がけています」
東日本大震災以降、福島原発の事故により、原子力発電のリスクを嫌というほど味わった日本では現在に至るまで国内すべての原発がストップ。電力不足や電気代の値上げで国内の家庭・企業は悲鳴を上げている。必然的に、原子力や化石燃料に頼らない自然エネルギーに注目が集まってはいるが、太陽光や風力は安定性に欠け、高コストという問題がある。その点地熱は、比較的浅い地下に常態的に存在しているので開発コストも安くつくし、安定供給が可能。日本は世界で3番目の温泉大国。その膨大な資源を利用して電力の地産地消が実現できればエネルギー問題が解決でき、国力のアップにもつながる。
「日本にとってエネルギー問題は長年の懸案事項なので、その解決にかかわれることが大きなやりがいですね。今後、地熱温泉発電を日本国内でどんどん広めていくために尽力していきたいです」
入社即出向を、大きなばねにして活躍してきた柳澤。彼の仕事は常に日本の課題と隣り合わせであり、そのフィールドが途切れることはない。
学生へのメッセージ
「私はそもそも商社希望ではなかったわけですが、今は商社に入ってよかったと思っています。ですから最初から業界・業種・職種・会社などを絞らず、まずは視野を広くもって自分がどういう仕事をやりたいのかを考え、優先順位をつけて徐々に絞り込んでいく方がいいでしょう。当社の魅力は、実力が認められれば若手でも責任のある仕事を任されるところ。今年の新入社員には、早くも大きな金額の仕事を任されている人間もいます。年齢、経験に関係なく、実力で勝負したいという熱い気概をもつ人にぜひ当社の門を叩いてもらいたいですね。そして入った以上は、これ以上ダメだというところまでは頑張ってみることが大事。特に商社パーソンの場合は業務を遂行していく過程でさまざまなトラブルが生じますが、それらに負けず最後まで職務を全うする強い意志や責任感が必要です」
第一実業・柳澤保則(やなぎさわ・やすのり)
1975年神奈川県生まれ。法政大学工学部卒。1999年入社。入社後は外資メーカーとの合弁会社に出向。ポンプグループで製紙用のポンプを販売する技術営業として勤務。2010年4月に素材プラント部に、同年10月に資源開発部に異動。その後、バイナリーグループで再生可能エネルギー事業の先駆者として、小型排熱発電装置の販売を担当。
『商社』2016年度版より転載。記事内容は2014年取材当時のもの。
写真:葛西龍