商社の仕事人(42)その4

2018年01月11日

日立ハイテクノロジーズ 黄世勇

 

ビジネスの厳しさを

知った経験を糧に、

更なる成長を目指す

 

新たな分野でのビジネスモデルの構築に挑む

黄は、入社1年目に経理関係の業務に携わった後は、8年間、主として液晶関連製品の営業を担当してきた。しかし今は、社会インフラ、環境エネルギー関連などの商材を販売するための市場開拓、戦略および仕組みの構築に取り組んでいる。

「日立製作所を中核とした日立グループでは今、社会インフラを重点分野として事業拡大を推進しています。日立ハイテクも、日立グループ全体の大きな方針に従って社会インフラ関係に力を入れて行くことになっています。その新しいビジネスに携われるわけですから、僕は非常に幸せだと思っています」

そんな黄が今、力を入れて取り組んでいる分野が水処理関連と送電線点検ロボット関連の2つである。当面は、中国市場がメインのターゲットになる。何しろ、黄はこれまで中国でのビジネスに携わり、人脈を作り、中国でのビジネスの進め方に精通している。会社の黄に対する期待も大きい。黄自身も、「自慢じゃないですけど、それが僕がこの会社にいる価値の1つかもしれないですね」と胸を張る。

水処理関連分野については、中国では水不足や汚染の問題があるので、ビジネスチャンスは間違いなくある。また、送電線ロボット関連分野についても、中国の送電線の長さは世界一であり、しかも点検は人手で行われているのだから、やはり大きなニーズが見込める。

営業を担当していたころの黄なら、ニーズがあるなら、そこに必要とされる装置や部材を販売することだけを考えればよかった。しかし、今の黄が果たすべき役割は変化している。

「今まで取り組んでいなかった分野で、長期的にかつ安定的に利益を上げるためのビジネスモデルをどのように構築するかということを考え、実現させるのが私たちの仕事です。良いものであれば必ず売れるという世界ではないですから、少しでも営業担当者が営業活動をしやすいような大きな仕組みを作りたいと思っています。会社にとっても、僕自身にとっても大きな成長につながる仕事ですから、非常に挑戦し甲斐があります」

エンジニアリング会社と組んだビジネス展開や、現地有力企業との提携検討など、黄は次のステップを楽しげに語ってくれる。

⇒〈その5〉へ続く

 


関連するニュース

商社 2024年度版「好評発売中!!」

商社 2024年度版
インタビュー インターン

兼松

トラスコ中山

ユアサ商事

体験