商社の仕事人(42)その5

2018年01月12日

日立ハイテクノロジーズ 黄世勇

 

ビジネスの厳しさを

知った経験を糧に、

更なる成長を目指す

 

グローバルな視点での事業の拡大にも取り組みたい

黄は今まで、生まれ故郷・中国市場でのビジネスをメインにしてきた。黄が中国ですべきことはまだまだたくさんあるが、黄の視野はもっと広い。

「今後は、中国だけではなく、まだ経験が少ない東南アジアやインドなどにもビジネスを広げていきたいし、それは僕にとっての重要な課題でもあるんです」

インドや東南アジアでは、太陽光発電はどのくらい普及しているのか、どれくらいの距離の送電線が張り巡らされ、点検はどのようにして行われているのか、などということについてすでに調査を始めている。そして、社会インフラの分野については大きな可能性が秘められていることを確信している。まさにこれから開拓する分野だ、と黄は期待を膨らませている。

また、黄は「もっとグローバルな視点でビジネスを拡大していきたい」とも言う。黄が携わって来た今までの中国でのビジネスは、日本から商材を持って行って売るということが中心だった。つまり、中国を市場として捉えることがメインであって、中国発のビジネスというものはあまりなかったのだ。これからは、もっと中国を起点としたビジネスも考えて行かなければならないというのだ。

「今までの中国は、技術が遅れていたので、どうしても様々な商品を海外から買うしかなかった。しかし今は、優れた技術を持つ企業も多くなり、良いものを作れるようにもなっています。そうしたものを日本に持って来ることも考えられますし、日本だけではなく東南アジアなどにも持って行けるはずです。日立ハイテクは商社ですから、たとえば中国で作られたものを遠くブラジルに持って行くことだってできます。こういう純粋に中国発のビジネスは、これからもっと拡大していけると思います。もちろん、今でもやってはいますが、まだまだ割合は少ないのが現状です。きっと社会インフラ事業についても、そういうビジネスの可能性があるのではないかと思います」

中国と日本という2つの視座を持つ黄。営業から企画担当へと変わったのを機に、さらに視野を広げ、グローバルなビジネスに挑もうとしている。柔和な表情がとても印象的な黄だが、その胸中には強い想いが静かに、かつ熱く燃えている。

 

学生へのメッセージ

「これからのビジネスにおいては、国籍はまったく関係ありません。中国人だからとか、日本人だからというような制限は全くありません。自分が持っている実力ですべてを決めることができるのです。ですから、まずは常に自分を信じて、前に進んで行こうとする強い気持ちを持ち、行動を起こすのです。それで結果が出れば、自信が深まり、実力も付いてきます。そして、実力さえ付ければ、日立ハイテクではいくらでもチャンスがもらえます。その実力を蓄えるためにも、迷って考え込むよりは、一歩踏み込む勇気を持ってください。そうすれば、きっと道は開かれるはずです」

 

黄 世勇(ふぁん・しよん)

【略歴】
1976年中国黒龍江省ハルビン市出身。神戸大学大学院経営研究科卒。2004年入社。黒龍江省大学を卒業後、交換留学生として松山大学で1年間を過ごし、さらに神戸大学の大学院で経済を学ぶ。小学校から大学まで、バスケットボールに打ち込む。中国に戻る気はなく、学者になるか社会人になるか悩んだ末、自分の実力を試す意味もあって後者の道を選択。

 

『商社』2015年度版より転載。記事内容は2013年取材当時のもの。
写真:葛西龍

 


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