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2018年04月16日

週刊ダイヤモンド(4月21日号)

空前の好決算でも喜べない
商社が抱える2つのリスク

「マンガと決算書でわかる 会社のしくみ」という特集の中で、総合商社5社が採り上げられている。

記事は、今年3月の決算で好業績に沸いた総合商社5社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)について、財務諸表から2つのリスクを指摘している。

1つは、好調な業績の背景が相変わらず資源に頼ったものであること。昨年の業績悪化は世界情勢からの資源市況乱高下にあり、各社資源ビジネスからの脱却を図ろうとしたが、まだまだ道半ばであること。特に三井物産は、6割を資源関連事業で稼いでいる。

もう1つは、財務基盤の強化とそれに伴う各付けの向上を指摘している。ネットDEレシオ(負債資本倍率)という数値を使って各社を比較しているが、今後大規模金融緩和が正常化に向かう時、資金調達コストが上昇し、各付けが低いと入札案件などで不利になりかねない。トップの三菱商事は総資産規模が16兆円、キャッシュフローが約5800億円と他社を圧倒している。

ネットDEレシオの数字は以下のとおりである(数値が低いほど、財務基盤が強固であることを示す)。

三菱商事  0.81
三井物産  0.88
伊藤忠商事 0.97
住友商事  1.11
丸紅    1.25

 


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