「中国語人材1000人育成」の狙い
日刊ゲンダイによると、伊藤忠商事が4月13日、中国語を話す社員が1000名を超えた記念式典を行ったという。1000名といえば、伊藤忠社員総合職の3分の1である。中国語に関して、これほどの陣容を整えた日本企業はない。
伊藤忠商事は2015年、タイのチャロン・ポカパン(CP)と共同で中国最大の国有複合企業・CITICに1.2兆円を投資し業務資本提携を結んだが、同年「中国語人材1000人育成プロジェクト」をスタートさせている。当時の中国人材は361名だったというから、3年でその人材を3倍に増やしたと言える。
これほど短期間に人材を増やすことができたのは、手厚い支援体制にある。語学だけでなく、市場、法律、文化など高度なスペシャリストの育成を当初から目指していた。そのための中国語圏への派遣、レッスン費用の全額などが会社負担となっている。
伊藤忠商事の中国ビジネスの展開は、丹羽宇一郎元会長・社長が中国大使だったことも大きく影響しているが、華僑との関係、コンビニ業界への展開など、東アジアを焦点に壮大な計画が予想される。