商社の仕事人(59)その4

2018年06月28日

蝶理 高山昌樹

 

日本製品にこだわり、

ブラジルでのビジネス拡大に挑む

 

 

税金の仕組みの余りのややこしさにお手上げ

蝶理では今、インド、フィリピン、韓国に次いでブラジルでも閉鎖していた拠点を復活させようとしている。そのための準備として、ブラジルの法規制や制度・仕組みなどを勉強することも高山に課されたミッションの一つである。しかし今はとにかく新規開拓の営業に全力投球しているので、そこまでは手が回っていない。

法規制は、言うまでもなく国内産業の保護がコンセプトになっている。つまり、ブラジルに十分なお金を落としてくれるなら、企業の進出もOKということであり、目的さえわかればこれはそんなに難しいことではない。大変なのは税金の仕組みである。さすがの高山も、そのややこしさにはお手上げのようだ。

「ブラジルでのビジネスに関わっている人に、『ブラジルでビジネスを展開するに当たって、一番ややこしいのは何ですか』と訊くと、まず最初に挙がって来るのが税金の仕組みです。ブラジル・コストと称されているくらいで、これはもう専門家でないと理解するのは無理だと言われています」

たとえば、日本では租税としては消費税しかないが、ブラジルでは製品工業税というものがある。また、州をまたがると州税が掛かったりもする。しかも、ただ単純に輸入したものの価格に税金が乗っかるだけではなく、複雑に上乗せされていくのだ。その仕組みを解明することは、現地の人でもできないと言われている。そのややこしさは、まさに推して知るべしである。

「早く何とかしろ!」という上司の声が聞こえてくるようで、高山は大きなプレッシャーを感じてはいるが、だがなかなか一朝一夕には行かない。しかし、高山のブラジルでのビジネスにかける思い、情熱はますます盛んだ。

「ブラジルの拠点が再開されたら、ぜひ駐在もしたいなと思います。もちろんその時までには、ブラジルのことなら高山に訊けと言われるくらい専門的な知識を蓄積し、いろんな面でフォローしてあげたいですね。ブラジルは確かに日本からは遠いですが、ビジネスの可能性は本当に大きいですよ」

高山のブラジルに賭ける意気込みは、今後もますます熱を帯びて行くことになりそうだ。

⇒〈その5〉へ続く

 


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