商社の仕事人(74)その1

2019年05月20日

岡谷鋼機 山本征司

 

世界中から

最適の機械設備を集める

大学院卒の商社パーソン

 

【略歴】
1981年、京都府生まれ。京都工芸繊維大学工芸科学研究科修了。専門は機械工学。2006年に岡谷鋼機入社。

 

新人に「一人で考えてやってみろ」

地元京都の大学に入学して大学院の工芸科学研究科を卒業した山本征司は、岡谷鋼機に入社して11年目を迎えた。2015年3月には名古屋本店でメキシコ向けに工作機械や生産用資材を販売する担当となり、メキシコと日本を1カ月ずつ毎に行き来するという慌ただしい日々を送っている。

主な取引先は、自動車部品のメーカーだ。これまでタイに海外トレーニーとして滞在し、東南アジアのビジネスの現場も見てきたので、岡谷鋼機のメカトロ部門では、海外事情にかなり詳しい方だ。

それにしても、大学院にまで進んで工学を研究した山本が、メーカーではなく、また研究職の道へも進まずに、商社を就職先に選んだのはなぜか。

「新しい成果を研究によって生み出すことも必要ですが、それと同等かそれ以上に、研究成果を実用化し、世の中に広めていくことも、技術に携わる人間が果たすべき役割のひとつだと私は考えています。岡谷鋼機は、大学の研究機関やメーカーと一緒に技術開発もしています。私も工学で学んだベースを生かすことができる仕事をしています。理系の人間にも活躍の場がいくつもあるのが岡谷鋼機です」

山本は、生産現場で必要となる機械を取り揃えて販売する営業職についているが、研究者としての〝本能〟が目覚めることもたびたびある。

「本来は加工品の生産ラインに必要な工作機械などを納めるのが仕事なのですが、その加工品自体、自分だったらこうするのにと、ついテンションが上がってしまいます。そこに入れ込んでしまうと、商談から話が外れて変な方向に行ってしまうのは重々承知していますが、図面を自分で引き直してみることもありますね(笑)。そういう理系的なおもしろさも、仕事のエネルギー源になっています」

とはいえ、もの売りのプロ集団である商社での営業は生やさしいことではない。山本が「今までで一番苦しかったのではないか」と振り返るのが、入社して最初に配属された刈谷支店機械室での半年間だ。

着任すると、すぐに先輩社員が受注したばかりの機械を納入する仕事を任された。ユーザーは自動車メーカーの三次サプライヤーで、トランスミッションの部品を加工するラインを立ち上げている最中だった。

その先輩に同行してあいさつを済ませると、「あとは一人で考えてやってみろ」と言われた。

「もともと先輩が取ってきた仕事で、そこに1年目が入ってきたので、仕入れ先のメーカーもユーザーも、〝新人のあなたになにができるのか〟という思いで見ていたと思います」

⇒その2「期限は今夜中なのにメーカーの担当者が帰ってしまった」

⇒岡谷鋼機

 


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