商社の仕事人(10)その5

2017年03月17日

蝶理 菅原 耕平

 

めげず、臆せず、

ビジネスの開発・拡大に

挑み続ける

 

今後は中長期的な投資案件や合弁案件などにも携わりたい

入社9年目の菅原はさまざまな困難を乗り越えて来たが、それは「決して自分1人の力でできることではありません」ときっぱりと言い切る。

「私は、品質や技術のスペシャリストではないので、メーカーやお客様に、同じ土俵に上ってもらい、協力・協議・対応してもらわないと、問題解決には至りません。私がすべきことは、そういう土俵・雰囲気・必然性を創り上げることと、そして自分が始めたプロジェクトについては、とにかく粘り強く、責任感を持って最後までやり遂げるということです。うまくいくかどうかは別として中途半端な形で終わってしまうのは、私としても不本意ですから」

その言葉通り、菅原の粘り強さと責任感はまさに筋金入りだ。だが、菅原は、「そんなことは当たり前だと思います」と断言する。仕事をしていれば、自然にそういうふうになっていくというのだ。現に、菅原自身も入社1年目の頃はまだそういう資質が整っていなかったが、顧客に直接会って話をするようになってから、意識が変わり、性格も変わったのだという。

「お客様は、私を信頼して、仕事を依頼するわけですから、私にはそれにしっかりと応える責任があります。そう思ったら、ちゃんとやるしかないですからね。お客様に怒られた時は、特にそういう気持ちになります。それを繰り返しているうちに、今の自分のスタイルが出来上がってきたのだと思います」

そんな菅原には、1つの夢がある。単純な商材の売買だけではなく、もっとスケールの大きい仕事にもより一層チャレンジしていきたいということだ。

「懇意にしているお客様の中には、新たにこういう製品を開発・生産したいとか、こういう工場の設立を考えている、とおっしゃるところが結構あります。そういうお客様に投資したり、合弁を組んだりするような、もっと包括的でスケールの大きい、中長期的な投資案件や合弁案件などに、より一層携わっていきたいと強く考えています。そういうことができる土壌や風土が、蝶理という会社にはあると思います」

そう語る菅原の瞳は一段と輝きを増していた。菅原は、今日もさまざまなビジネスチャンスを求めて動き回っている。それは自ら設定した目標に近づくための着実なステップなのだと確信している。

 

学生へのメッセージ

「私が蝶理を選んだのは、何よりも自由にやらせてくれる雰囲気があったからですが、その選択は間違っていませんでした。と言うのも、私は若いうちから自分の裁量でいろんな仕事をさせてもらっているからです。もちろん、そのことは常に自分のモチベーションになっているので、私としてはすごく感謝しています。主体性や新しいものにチャレンジする意欲を持ち、自分が提案したことを自分できっちりと最後までやり遂げたいと思っている人には、きっと多くのチャンスがある、魅力的な職場になると思います」

 

菅原耕平(すがわら・こうへい)

1984年、東京都生まれ。東京理科大学工学部卒。2007年入社。
学生時代は、サッカーに明け暮れる毎日だった。大学時代には、現地リーグの試合を観戦するために、欧州各国の周遊を何度も繰り返していた。そうした体験がきっかけとなって、海外文化へ興味を抱くようになり、商社で働くことを目指すようになる。

 

『商社』2016年度版より転載。記事内容は2013年取材当時のもの。
撮影:葛西龍

 


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