商社の仕事人(12)その1

2017年03月27日

稲畑産業 千田淳平

 

突きあたった壁を

自己変革で乗り越え、

海外へ新たな展望を広げる

 

【略歴】
1984年埼玉県生まれ、明治大学政治経済学部出身。

 

行動と直感、行きついた先は商社

「あれは忘れもしない入社2年目、社内で悔し泣きしたことがあるんです。初めて任された大口取引先の担当を、外されてしまったんですよ」

千田淳平が稲畑産業に入社したのは、2008年。現在は7年目の商社マンとしてますます脂の乗る彼だが、入社当初しばらくは、やる気が空回りして悪戦苦闘する日々が続いた。

「自分ではベストを尽くしていたつもりだったんですが、いま振り返ってみるとただ顧客と仕入れ先の双方に言われたことをこなしていただけでした。自分で考えて主体的に動くということができていなかったんですね。そこはもう自分自身で意識を変えていくしかありませんでした」

現在は塗料やインクの原料を販売する従来からの業務に加えて、タイ現地企業との合弁で設立したNobel NC Co., Ltd.からのニトロセルロース輸入窓口を担当。いっぽう新人研修制度に基づいて後輩を育成するトレーナー役も担うと同時に、2014年度からは組合の中央執行委員長も引き受けた。

「組合委員長は任期1年。とにかくその間全力で突っ走っていこうと、日々悩みながらチャレンジしています(笑)」

まさに多忙な日々を全力で駆け抜けている真っ最中だ。

そんな常に全力で突っ走る千田の性格は学生の頃から変わっていない。大学では引っ越し屋を中心としたアルバイトに精を出す傍ら、2年の時から就活支援の学生団体に所属し、OB訪問、会社訪問などに足しげく通い出す。

「どんな業界に進むか、最初は全くのノープラン。商社やメーカーをはじめ中古車販売から自社養成の飛行機パイロットを募集している会社まで、思いつく限り回ってみました。どんな仕事が自分にぐっと来るか、実際に見なければ分からないと思ったからです」

そうしたなかで自ずと定まってきたのは、仕事内容も、地域的にも自由度が高い仕事。千田の足は自然と商社へ向かった。

「ある会社のインターンシップで、ニューヨークに行く機会があったんです。自分にとっての初めての海外進出で広い世界に出て異文化と接することの魅力に目覚めたきっかけになりました」

最終的には専門商社中心に就職活動を行い、稲畑産業以外にも複数の会社から内定を得た。

「当社を選んだ決め手は、海外に出られる可能性が一番高かったこと、そしてあとはやはり人の魅力です。就活を通じて会った社員の方たちは、自分にとって信頼できそうだと感じるものがありました。そこから後の決断はもう、直感ですね」

千田は入社が決まってから卒業するまでの間、オーストラリアで1か月の短期留学も経験。海外というフィールドに飛び込む夢をふくらませながら、社会に飛び込む準備を進めていった。

⇒〈その2〉へ続く

 


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