商社の仕事人(13)その3

2017年04月5日

トラスコ中山 高田真由美

 

回り道をしながらも

15年目に支店長に

 

 

新人ではない。だが経験も商品知識もない

気がつくと、高田が経営企画課にやって来てから7年が過ぎていた。途中の2年はチーフとして予算や評価制度を決める上で重要な立場となった。営業企画課から数えると、本社業務をやるようになって10年になり、しだいにこの仕事を極めたいという気持ちが強くなっていった。

「責任者として仕事をする楽しさを知り、次はチーフから経営企画課長になることが目標になりました。ただこの頃から会社が、いろいろな部署の仕事を経験させるマルチタスクを重視するようになりました。新しく経営企画課長になるのも営業の経験がある人です。やはり営業を経験して支店長にならないと先はないと改めて思いました」

こうして高田はボスチャレンジ・コースに応募した。責任者(支店長、課長、センター長)をめざす社員のための研修制度で、入社9年目以降の社員が受けられる。講義は経営数字の見方などが中心で、本社勤務が長い高田にとってはむしろ馴染みのある内容だった。だがほとんどの受講者は営業担当として実際にものを売ってきている。自分にはその経験がない。苦労するのはこれからだということは容易に想像できた。

それから間もなく2011年7月に高田は神戸支店に勤務となり、半年間の内勤業務の後に初めて営業に出た。

「まだ就職活動中に、トラスコ中山の営業の方に同行させてもらったことがあります。だから回るのはどんな会社か、営業がどれだけ泥臭い仕事かは見ていたので、違和感は全くありませんでした。しかし営業経験も商品知識もなく、それなのに自分は新人でないというのは辛かったですね。社会人経験はあるのでコミュニケーションには苦労しませんでしたが、社外の方と関係を築くのはやはり大変でした」

⇒〈その4〉へ続く

 


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