商社の仕事人(26)その5

2017年07月7日

トラスコ中山 本間三紀

 

自然体で、

自分の強みを活かす

 

 

知らないことは所員に聞き、自分の強みを生かす

入社12年目、本間は支店長として湘南支店に異動した。同期では2人がすでに支店長になっていた。

「それでも外からは、若い支店長と思われています。男性の所員と同行すると、名刺を渡してから初めて、ああこちらが支店長さんなんですねという反応はよくあります」

年上の男性3名、年下の女性3名、合計7名の支店である。営業経験は本間よりもほかの社員の方が長く、50歳近いベテランもいる。だからといって、本間に対して反発したり、単独行動に出るようなことはない。

「支店長だから全部分かっているわけではなく、いかに売るかについては知らないことの方が多いので、みんなを頼るしかありません。ここでも人に恵まれたと感謝しています」

今度こういうものを売るけれどもどうしましょうかと意見を聞いて決めていく。最終的な決断に責任を持つのは本間だ。もし何かあれば矢面に立つ覚悟は持っていた。

本社でトップの近くに7年間いたので、トラスコ中山はこういう会社だと取引先に説明するのには苦労しない。会社の数字について社員に説明したり、取引先の決算書の見方を教えることもできる。本社にいる知り合いも多く、気になることがあれば情報も聞きやすい。

そういった自分ならではの強みを生かすことも支店長の仕事だと、本間は考えている。

「支店長は支店を任された責任者で、売ることではなくマネジメントが仕事です。営業の数字はもちろんですが、顧客や市場特性、支店のメンバーの動きなどすべてを見て、なおかつ誰かが急に抜けても困らないように、先のことも考えておかないといけません」

まだ支店長になりたてなので、当面の目標は地盤のしっかりした支店にしていくことだと本間は考えている。何年後かに物流センター長や本社の課長職を経験するかもしれないし、その先のことはさらに分からない。トラスコ中山は自ら手を挙げればいろんなことができ、柔軟に対応する会社だから、そのときになって立ち止まってどうするか決めればいいと思う。そこからまた新しい可能性が見つかるはずだ。

 

学生へのメッセージ

「とにかく元気な会社だと思いました。エントリーシートも、商人(あきんど)と聞いて何を思い浮かべますかという質問があるなど、ほかとは異なっていました。様々な社員に会わせてもらったのですが、みんな明るく生き生きしていて、この人たちと働けたら楽しいだろうと思ったことも入社した理由の1つです。就職活動を通して、疑問に思うことがあれば、採用担当の人に全てぶつけてみてください。自分が好きだと思う会社、気になった会社を自由に見られる時間は就職活動中の今だけです。とことん会社を追求し、とことん自分を追求してください」

 

本間三紀(ほんま・みき)

【略歴】
奈良県生まれ。立命館大学政策科学部卒。2004年トラスコ中山に入社。

 

『商社』2017年度版より転載。記事内容は2015年取材当時のもの。
写真:葛西龍

 


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