商社の仕事人(31)その4

2017年08月10日

トラスコ中山 中西陽子

 

どんな仕事でも、

わくわくする気持ちを忘れずに

 

 

カタログとしてより使いやすいように改良を重ねる

トラスコ中山ではウェブでも商品カタログ(オレンジブック.Com)を公開していて、その掲載数は73万アイテムと紙媒体のオレンジブックよりはるかに多い。しかも掲載商品は随時更新される。オレンジブックは販売店様にお金を出して買ってもらっている。それだけの価値があるものでなければならない。オレンジブックを1年ごとに改訂するのは、ひとつには新商品を掲載するためだが、それだけではない。商品が見やすく探しやすくなるように、ページの見せ方にも毎回新たな工夫を凝らす。

「すべての現場でウェブが使えるわけではありません。それにキーワード検索をするよりページをめくる方が早く欲しいものが見つかることも多いので、紙のカタログにもそれなりの良さがあります。オレンジブックは当社が扱う数多くのアイテムについて、それぞれ即納品か取り寄せ品かが一目で分かるように色分けをしています。またこのドリルでは何ミリの大きさの穴が開けられるか、材料の厚さは鉄なら何ミリ、プラスチックなら何ミリまで使えるかといったことも、文字だけでなく記号ですぐに把握できます。商品の選定に役立つようにと豆知識のコラムも入れるようにしました」

どうすればもっと使いやすくなるかを知るために、支店のSSLに頼んでユーザー様の声も聞いて回った。現場でのオレンジブックに対する評価をもとに、新たな改良を加えていく。制作スタッフ同士も、担当するカテゴリーのページを黙々と制作するのではなく頻繁に意見交換をする。互いに席が近いので、気づいたことがあったりアイデアを思いついたりするとすぐその場で打ち合わせを始める。席にいないメンバーと情報を共有するために、その内容は社内イントラネットの掲示板に掲載している。

中西は2つのカテゴリーの商品掲載ページだけでなく、表紙や外箱のデザインも担当した。2013年度版のオレンジブックの表紙は8種類のバリエーションがあり、その中から好きなものを選べる。工場で働く女性も多いので、女性に受け入れられやすいように意識したデザインの表紙もある。当初は6種類だったが、英語版の表紙を含めて2種類を後から追加した。3分冊なので外箱に入れているが、2013年度版からは上からも前からも取り出しやすいように外箱をオープンな形状に変えた。2014年度版はさらに紙製からプラスチック製にして耐久性を向上させている。

「課内では私の年齢がちょうど真ん中ぐらいですが、部長や課長から若い人まで同じように意見を言うし、上司の意見だけが通って下の言うことは聞かないということは一切ありません。8600ページにも渡るカタログを1年間かけて一緒に作る仲間なので、社内でも団結力が強い部署かもしれません」

⇒〈その5〉へ続く

 


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