阪和興業 桒田清貴
新エネルギーの世界に
未来を託す
廃棄物を再利用するだけに手間もかかる
環境面で優れた特長を持つRPFだが、難点は油に比べて手間がかかることだ。
製造時の熱のかけ方がうまくいかないと、コルク状にならずに塊になる。RPFを使うボイラーは余計なものを入れないために入り口にフィルターを付けているが、塊になったものが目詰まりを起こし、燃料の投入ができなくなる。
しかも原料が廃棄物なため、RPF自体にも不純物が混じりやすい。それにプラスチックを原料とするので燃やすと有害な排気ガスが発生し、人体によくないだけでなくボイラーを傷めてしまう。
「問題が起きたら、まずは飛んで行って申し訳ありませんと謝ります。製造したのはメーカーでも、販売窓口として責任を持って供給しているのは当社なので、ちゃんとした製品を納める義務があります。それからどのように対応するかを考えます。ユーザーも廃棄物由来ということは知っているので、基本的には一緒になって改善に取り組んでくれます。ときにはボイラーが数日止まることもありますが、石炭ボイラーはもともと年に何回か定期点検や修理が必要なため重油ボイラーを併用します。したがって工場の操業が止まる心配はありませんが、高額な重油を使うため、採算性は大きく悪化します」
最近は製造時の温度管理などノウハウが確立されてきたため、目詰まりさせてしまうトラブルは減っている。不純物の混入は、ボイラーへの悪影響が特に大きい金属片は磁石を使って取り除いているが、完全になくすことはできていない。塩素などを含む排気ガス処理のための周辺装置も必要となる。その意味では発展途上の燃料ということができる。
⇒〈その6〉へ続く