商社の仕事人(43)その4

2018年01月25日

ユアサ商事 日野雄介

 

工作機械ビジネスの

新しいあり方を開拓する

 

 

1億円以上の取引につながる決断

日野の取引先となっている工作機械の販売店は、数名程度の小規模の会社が多い。さらにそこから独立して個人で開業している機械ブローカーもいる。

入社3年目になり、取引先の担当者との人間関係もできてきて、日野が頭に描く通りのビジネスもできるようになってきた。そんな頃、ある販売店から独立する社員がいるという話が耳に入ってきた。

個人ブローカーになると、資金力がないので会社にいるよりも仕入れは難しくなる。メーカーとしては、もし自己破産したら代金が回収できなくなることも考えなければならないからだ。しかもこのときは辞めた元の会社から、その人と取引するならもうおたくとは付き合わないと圧力がかかってきた。

「独立した人か、元いた会社にするか、どちらに賭けるかです。私は、独立した人の方に賭けました。販売力があると思っていたし、元の会社との取引もあまりなかったのです」

このときの日野の決断が、後日大きな商談を引き寄せることになった。

1年ほどは、なにもなかった。ところがある日、このブローカーから自宅に呼ばれた。建設機械の下請けをしているエンドユーザーが忙しくなり、急遽大型のマシニングセンターを3台購入することになったという。総額1億3000万円と聞いて、日野は驚いた。

「もう60代の人で、個人ブローカーだし、たいした話ではないだろうと正直思って行ったんです。ところが大きな商談につながりました。その人は、ほかからは仕入れを断られて困っていたので、恩義に感じてくれていたようです」

その後この取引相手からは、毎年コンスタントに数千万円の受注が入ってくるようになった。

⇒〈その5〉へ続く

 


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