商社の仕事人(44)その1

2018年02月5日

岡谷鋼機 斎藤 雅

 

顧客と仕入先の両方に食い込み、

世界の製造業に貢献

 

 

【略歴】
斎藤 雅(さいとう・まさし)
1980年神奈川県生まれ。北九州市立大学外国語学部卒業。2004年入社。

 

多様な業界を担当、億単位の取引も

岡谷鋼機に入社して9年目の斎藤雅は、東京本店メカトロ部で営業を担当している。新人時代に最初に配属された部署でもあり、途中1年間タイに海外トレーニーとして赴任し、2011年3月に再び戻ってきた。この部署のメイン商品はマシニングセンターや旋盤など金属材料を切削する工作機械、組立装置や搬送装置などで、ほかに工具類や車載部品を扱う。

「工場で生産に必要となるもの全般を提案し調達していますが、大型機械の商談が多く、私が担当しているクライアントの大半は大手メーカーです。特に、取扱量が多いのはトラック製造会社の生産ライン向け工作機械ですが、航空機のエンジン部品メーカー向け工具やヨーロッパ向け製紙機械用部材の販売も好調です。また、製鉄会社向け発電設備用タービンといった新規の商談もまとまりつつあります」

工作機械メーカーとクライアントの間に入る斎藤のような商社の営業担当は、製造工程とそこで使われる工作機械の両方に通じていないと仕事にならない。

「ワーク(加工物)の図面を見て、必要な加工工程を理解し、最適な設備が提案できないと、商談がそこで止まってしまいます」

「持ち帰って検討して提案します」では、客先からの信頼を獲得し、商談を成立させることはできない。日々、業界動向や専門知識の習得にも注力が必要である。

斎藤の顧客のトラック製造会社は、国内外で生産能力の増強を意欲的に進めている。生産能力の増強や新製品の導入が発表されると、工作機械の新規導入や改造案件が計画される。まずはその情報を取ることが、ビジネスの第一歩となる。もちろんこれらの情報は、客先から簡単に発信されるものではなく、人脈等の構築の中から獲得していくものである。正に人間力が問われる。

「注文を取るためのストーリーを考え、メーカーと協力し、競合他社を抑え、受注する。それがこの商売の醍醐味を感じるときですね」と斎藤は言う。

⇒〈その2〉へ続く

 


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