岡谷鋼機 斎藤 雅
顧客と仕入先の両方に食い込み、
世界の製造業に貢献
メーカーとクライアントの両方に人脈を築く
ではメーカーにとっては、商社とはどのような存在なのだろうか。
「メーカーにとって、クライアントのところに日参して情報を取ることは容易ではありません。そこで岡谷鋼機が情報源となって、メーカーとクライアントの間の潤滑材のような役割を果たすのです」
商社からメーカーに誰に対しても早く正確に情報を提供し、それに付随する様々な客先要求を継続的に提供できるのであれば、「やはり商社は必要な存在」ということになる。
「必要な存在」となるためのカギは「岡谷に任せたら大丈夫という信頼感」だと斎藤は考えている。例えば、「なんとなくベスト価格を出してください」と言われてもメーカーは対応に苦慮することになるし、それでは受注には至らないのは明白である。
「クライアントから得た情報を分析して、この仕様と金額であれば受注できる。それが提案、実行できる商社をメーカーは望んでいるのです」
またメーカーとのつながりは、営業担当者だけではない。製造、設計等の、技術系の方とのつながりも重要だ。人のつながりをそこまで広げれば、それだけ動きやすく、岡谷のために仕事をしていただける。
「営業だけと話をしていると、納期が厳しいので対応が難しいとしばしば言われます。その場合、技術者と人的関係を築いていれば、岡谷のためにと特別に対応をしてくれたり、うまく話を進めることもできる。もちろんクライアントについても同様で、メーカーとクライアントの両方にどれだけ人脈を構築できているかが重要なポイントです」
それが他商社との差別化にもなる。
⇒〈その6〉へ続く