商社の仕事人(68)その1

2018年11月12日

阪和興業 井川慎一

 

世界でwin-winを語る

コテコテ商売人

 

 

【略歴】
井川慎一(いがわ・しんいち)
1985年千葉県生まれ。中央大学経済学部卒。2008年入社。

 

自らの居場所

第1志望、阪和興業。就職活動中、気付いたら阪和興業にハマっていた。人と異なる経験をしたいという欲求があり、高校2年次に日本を飛び出し、単身、カナダの州立高校に編入した。多感な時期に異文化に触れることで培った、普通ではない井川の感覚が阪和興業の空気感にマッチングしたのかもしれない。入社時の配属先は大阪貿易課。「緻密で正確」は当たり前、さらにプラスαの仕事が求められる。一見気後れしてしまいそうな空気感を放つ集団の中に井川はいた。

それから8年が経つ。井川は現在、出張で海外を忙しく飛び回っている。阪和興業の中でも、線材特殊鋼・チタン部の線材特殊鋼国際課は歴史が浅く、ほぼ全ての取引がスポット契約という厳しいビジネス環境である。

「特殊鋼の輸出について当社は後発なので、チャレンジャーの立場です。継続した注文が少ない中で、収益をきちんと確保しながら新しいビジネスを開拓していかなければいけません。それが継続的な商流になればいいのですが、現在のところはほぼ完全に狩猟型のビジネスですね」

特殊鋼は自動車の部品、建設資材、橋梁、日用品などに加工される用途が幅広い鋼材だ。井川が担当する輸出先は中国、韓国、そしてアセアン諸国が中心だが、中東、南米等の引き合いも抱えている。「商売の香り」だけが条件で、自ら足を運ぶのに制約も国境もない環境だ。数年がかりで追いかけている橋梁プロジェクトも井川の担当の1つ。巨大な橋には数万トンもの特殊鋼が使用され、延べ数十億円が動くビッグプロジェクトとなる。特に中国では、今後巨大な橋の建設プロジェクトがいくつも動くことが確実視されており、中国の駐在員やスタッフを巻き込み、何度も出張に訪れては情報を仕入れている。また、仕入れた情報を素早く共有する為に、多い時には5か所もの拠点を繋ぎTV会議を行う。加工メーカーだけではなく施主や設計事務所を訪れることもあるが、分からないことも多く日々勉強だという。

「自分がやりたいと手を挙げれば、末端の日用品から国家プロジェクトの巨大橋梁まで可能性には際限がありません。販売先はどこでもいいと言われています。仕入先も自ら考え、案件に合った何社かの候補から選定していきます。販売先と仕入先を自分で見つけてうまくマッチングさせることを夢にみて阪和興業に来たのですが、8年経ってその夢へまた1歩近づいていると感じます」

⇒〈その2〉へ続く

 


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