商社の仕事人(68)その2

2018年11月13日

阪和興業 井川慎一

 

世界でwin-winを語る

コテコテ商売人

 

 

攻めの仕事

 2008年に入社した井川が、最初に配属されたのは大阪貿易課。船積みや通関に必要となる貿易書類の作成を皮切りに、業務マニュアル作成、業務フロー改善、船会社との交渉までをも任された。入社後すぐに営業に出ると思っていた井川だが、その前に徹底的に貿易の基礎を学ぶことで、海外営業は勿論のこと、海外駐在に必要な能力をも身につけることとなった。

「フレート(海上運賃)値下げ交渉など、営業が追い切れない仕事をするよう努めました。フレート価格数ドルの差で受注できないこともある厳しい世界を理解し、プロ意識を持って船積み交渉に当たりました。新人にも関わらず、任せられる裁量権が非常に大きかったように思います。上司からも『闘う船積みになれ』と自ら積極的に仕事に絡んでいく姿勢を求められました。また、海外とやり取りをするケースも多かったのですが、最初は会話が全くできませんでした。海外在住経験もあり英語には多少の自信があったのですが、綺麗な言葉を話そうと一生懸命になり、相手に想いが伝わっていなかったようです。どうしたら伝えられるのだろうと試行錯誤しましたが、大切なのは、正確な文法や流暢さではなく、伝えようとする気持ちだということに気付けました。どんなにつたない言葉だったとしても情熱をもって相手に語りかけることで想いは届く。今思うと、その後の自分の仕事に影響を与える大きな気付きだったように思います」

その1年後、身につけた力を活かし海外で営業することをイメージしていた井川は、全く想定外の異動をすることとなる。

⇒〈その3〉へ続く

 


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