商社の仕事人(71)その1

2018年12月24日

日立ハイテクノロジーズ 本永彩子

 

人をつなぐ商社ビジネスで

海外案件の新規立ち上げに

突き進む

 

【略歴】
本永彩子(もとなが・さいこ)
1988年、東京都出身。早稲田大学国際教養学部卒。2011年入社。

 

「脱皮しないヘビは死ぬ」

入社5年目の本永彩子は、今年になって東南アジアの各国を頻繁に訪れている。今扱っている製品の横展開を必死に模索しているのだ。新しいビジネスの可能性が絶対ある、本永は嗅覚でそう感じていた。すでに中国でも試行錯誤は続けられていたが、価格や競合面で新たな市場を開拓しなければならない、本永はそんな使命感を胸に、東南アジアへの出張を繰り返していた。

本永の担当はRFID(Radio Frequency Identification)事業。身近なところでは、Suica(スイカ)のような乗車カード、認証用の社員証などに代表される非接触型ICカードが主な実用例。その関連部材のビジネスをまとめていくのが、本永の任務だ。

いうまでもなく、ただカードを売ればいいというわけではない。ふだん利用する上では意識しないが、RFIDのアプリケーションは多岐にわたる。カードやタグなど末端の媒体、それを読み取る機械、通信を処理するOS、ソフトウェアまでが取扱い商品だ。無数の部材がそれぞれ異なる顧客層を持ち、案件によってはそれ専用の製品も用意しなくてはいけない。

「いつも頭が混乱しそうですよ(笑)」

2011年の入社以来一貫して担当してきた本永は、こんな言葉で大変さをにじませる。

こうしたルーティンワークに加えて、本永が入社以来打ち込み続けているテーマがある。それが新しいビジネスの開発だ。

「管理職も新人も関係ない。常に新しいビジネスの開発に取り組み続けろ」。本永が所属する先端産業部材事業統括本部では、全員がこうしたマインドで新規案件の開発に取り組んでいる。もちろん新しいアイディアが全て実現するわけでなく、結果として頓挫するプロジェクトもある。だがトライ&エラーを繰り返して前に進み続けない限り、未来はない。本部長の言葉を借りれば「脱皮しないヘビは死ぬ」の精神だ。

そんななかで本永が新たな市場としてビジネスの可能性を見出したのが、東南アジアだった。

「私も中国で新しい案件を試行錯誤した経験があり、その延長で今度は東南アジアに進出するプロジェクトを準備しています。海外での新規立ち上げはまた格別な難しさがありますが、実はこれこそが私が商社でやりたかったこと。大変ではありますが、何とか突破したいですね」

本永はいま自ら見つけ出したフィールドを舞台に、商社という仕事への情熱とそれまでの経験をぶつけようと意気込んでいる。

⇒〈その2〉へ続く

 


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