日立ハイテクノロジーズ 本永彩子
人をつなぐ商社ビジネスで
海外案件の新規立ち上げに
突き進む
見よう見まねで貪欲にビジネススキルを吸収
新規案件にチャレンジできるのも、日々の業務をしっかりとこなしていればこそ。本永は入社当初から、ある決まった国内の顧客にICカードの部材を供給する仕事を担当している。ドイツのメーカーが作った半導体を、国内の協力会社を通じて中間材に加工して納めるビジネスだ。
売上は、月1億円近く。「初めて注文書を切った時は、さすがにドキドキしました」と笑う本永だが、これだけの売上を守り抜いてきた自負心は強い。
「この仕事もそもそもは、先輩が過去に新規案件として立ち上げて軌道に乗せたビジネスです。その先輩は当社でなければ不可能な開発をまとめ上げ、お客様とも強い信頼関係を築いていました。それを引き継いだ私が、絶やしてしまうわけにいきませんからね」
早い段階から新人にも大きな裁量が委ねられる、というのが日立ハイテクノロジーズの社風。本永にこの担当が任されたのは、入社直後のOJTを経て数か月しか経っていない時期だった。メールの回覧や打ち合わせの同行など先輩のサポートはあるものの、顧客に対するフロントとしてマネジメントしていくのは本永の役割だ。責任は重いが、ビジネスへの意欲に燃える本永にとっては望むところ。まずOJTで教わった以上のビジネススキルを、貪欲に先輩から吸収していった。
「どんなメールを送って、どんな流れで予定を組んでいるのか、盗み見していました(笑)。そうした見よう見まねも実践しながら、お客様の前で漏れがないよう万全を尽くしてきました」
客の前では、〝新人です〟では通じない。本永は必死に仕事に食らいついていった。
⇒〈その3〉へ続く