「商社」就活体験記①

2018年02月5日

インターンで
企業との相性を見る!

この春、伊藤忠商事に入社する名古屋大学大学院の共田恭輔さんから、「みんなの商社オンライン」に、後輩たちの参考になれば、と自身の就活体験を綴ったレポートが届いた。共田さんは名古屋商社会の代表として、2019年入社を目指す多くの学生をサポートしている人物でもある。共田さんは果たして何を考え、どう行動して、伊藤忠商事の内定を手にすることができたのか。

 

名古屋大学大学院 共田恭輔

 

◆どのような就活をしたのか

僕の就職活動は「インターンシップを通じて、会社と自分のマッチングを見る」ことを主眼としていました。初めに就職活動を意識したのは学部4年生の春でした。既にこの時点では大学院進学を決めていましたが、文系の友人達が就職活動に励み、社会に出ようとしている姿を見て漠然と焦りを感じました。実のところ、大学院への進学は決めていたものの世間で言うところの「理系就職」はしないと決めていました。そのため研究室の同期とは違い、自分はどのような業界が良いのか・どの仕事が向いているのかを元々意識して考えるようにしていました。

そこで業界・企業選びの第一歩として、4年生の冬に初めてインターンシップに応募しました。何事も経験と思い、特に準備せずに選考へ挑みましたが、幸運にも通過し参加することができました。その企業は損害保険会社。保険に関する新しいビジネスモデルを提案することをテーマに、グループワークや社員との懇親会を行いました。当時はただ新しいことに挑戦することに興味がありましたが、参加直後は漠然と「インターンシップって面白いな」と感じただけでした。

大学院1年生になると、3月の大学主催合同説明会に参加しました。就活は1年後でしたが、企業の雰囲気だけでも感じたいと考えたのです。その時、合同説明会とインターンシップでは大きな差があると感じました。合同説明会では一度に多くの企業の説明を聞くことができる一方で、時間の制約もあるため理解は浅くなりがちです。その反面、以前はただ楽しいと感じて終わったインターンシップですが、よくよく振り返ってみると、時間をかけて取り組んだことから、その企業に対する理解が明らかに深まり、自分にマッチしているかどうかを見極める良い機会となると気づいたのです。この時期から様々な企業のインターンシップに応募し始めました。

僕がインターンシップに注力した大きな理由の1つに、自分の行きたい業界・やりたい仕事が分からなかったことが挙げられます。就職活動を始めるときっと誰もが通る道だと思います。

「自分はどんな舞台なら真価を発揮できるのか」

日々悩み続けましたが、短時間の説明会だけではどこに自分が輝ける・本当にやりたい仕事があるのか分かりませんでした。そこで、並行して自己分析も行ないつつ、基本的にはインターンシップに参加して自分の素直な気持ちを出すことで、企業とのマッチングを確認していきました。

こうした考えのもと、大学院1年生の夏から冬にかけて、銀行・SE・コンサルティング・損害保険・不動産・インフラなどのインターンシップに参加し、自分が働く上で大事にしたいことを明確にしていきました。それは、(1)ビジネスモデルとしてモノを持たない (2)経営人材に成長できる場がある、の2つでした。自分のルーツやインターンシップ経験を通してこの2点を大事にしようと考えましたが、これまで出会った業界で希望が叶うのか、ハッキリとは分かりませんでした。そんな時、ある友人が「総合商社はその条件を満たすのではないか」と勧めてくれたのです。

実際にウェブサイトや他の友人の話を聞くと、何となく面白そうだと感じました。そこで、当時インターンシップを募集していた伊藤忠商事に応募してみることにしました。無事選考を通過し、5日間のインターンシップに参加してみると企業理解は一気に深まり、総合商社、及び伊藤忠商事には自分が大切にする2つの軸を実現する舞台があると確信しました。

伊藤忠商事のインターンシップが終わると、志望業界を総合商社・SIerに絞って業界研究を進めました。総合商社は他にもありますが、自分の性格にあう会社は間違いなく伊藤忠商事しかないと感じていました。そして、伊藤忠商事を大本命として6月を迎え無事選考を突破し、内々定を勝ち獲ることができました。こうして、数々のインターンシップで自分の大切にする軸を見つけることができた僕の就職活動は、最高の形で幕を下ろしました。

 

◆よかったこと

先にも述べていますが、数多くの企業のインターンシップに参加したことは有意義だったと断言できます。インターンシップへの参加を通してその会社の仕事内容を知ることができただけでなく、社員の雰囲気を肌で感じたり、自身のキャリアパスを明確に理解したりすることができると思います。

 

◆情報収拾はどこがよかったのか・よくなかったのか

特定の就活情報サイトに特にこだわりはありませんが、外資就活ドットコムをよく利用していました。総合商社を含め、世界に名だたる企業や興味を引く企業の選考通知や応募締切を一覧して確認できるためです。選考情報以外では、社内の雰囲気やキャリアパスなどに対する情報を集めるためにOB訪問などを利用していました。実際に社員と直接話すことが情報の質・量ともに最も効果的だと考えます。

 

◆なぜ商社なのか・総合商社なのか

(1)ビジネスモデルとしてモノを持たない
(2)経営人材に成長できる環境がある

この2点を叶えられる環境を考えたときに、総合商社だと考えました。ビジネスモデルとしてモノを持たない業界は専門商社を含め多くありますが、時代に合わせてビジネスモデルを変えながら、流動的に時代を先取ることのできる業態は総合商社しかないと考えました。また経営人材に関しても、出向経験を積むことができる・裁量権を持ってマネジメントできるという観点から総合商社に強い魅力を感じました。

 

◆なぜ伊藤忠商事なのか

伊藤忠商事のインターンシップに参加して、事業投資や事業経営の考え方に共感できた点が一番強いです。また、今まで僕が見た会社の中で最もスピード感を大事にしながら仕事をする人が多い印象を受けました。僕の性格ともマッチしていますし、この会社であれば、自分のなりたい姿へと成長できると考え、伊藤忠商事を選びました。

 

◆商社での仕事の夢と不安・将来像

繰り返しになりますが、事業投資や事業経営に関わるビジネスをしたいと考えています。商社では、最前線でビジネスを動かす営業だけではなく、経理・法務などの営業を支えるコーポレート業務、そして経営と、企業で必要とされる全てのスキルを学ぶ機会が与えられます。そうした業務全般について知見を持った上で経営を行う人材へと成長し、社会を豊かにしたいと考えています。

正直不安な点はありません。仕事をしたことがないので分かりませんが、辛いことも楽しいことも全てその時が来ないとわからないので、常に全力で取り組むだけです。

将来的には、伊藤忠に共田あり、と言われるようなビジネスパーソンになりたいと考えています。総合商社で学べることは本当に多種多様なので、スポンジのように吸収したいです。

 

◆後輩たちへのアドバイス

誰一人として人生・価値観・性格が同じ人は存在しません。ですから、自分にあったスタイルの就職活動は自分で見つけるしかありませんが、一方で心構えは同じだと思っています。(1)自分に素直であること (2)相手に誠実であること (3)常に最善の準備をすること、です。自分の本当にしたいこと、叶えたいこと、譲れないことに嘘をついては就活は上手くいきません。企業の業績や年収などの枝葉の部分に気を取られて本当に大事なところを見失わないようにしてください。

どんな企業・人事でも、相手も人間です。その場限りの考えや誤魔化しは信頼を失い、自分の立場を厳しいものにするだけです。相手に誠実である限り、企業の方も僕たちに誠実に接してくれます。自分が素直に考えたことをしっかり伝えてみてください。

自分に素直であるために、相手に誠実であるためには、自分の核を持ち、それを伝えるための最善の準備をする事が一番大切です。皆さんがこれから働いていく上で、大切なことを相手に伝えられることを、そして納得のいく結果を得ることができるよう、心から応援しています。

 


関連するニュース

商社 2024年度版「好評発売中!!」

商社 2024年度版
インタビュー インターン

兼松

トラスコ中山

ユアサ商事

体験