ブレない軸から
「逆算型」の就活に!
総合商社・豊田通商の内定者、加藤紘朗さんは南山大学の出身である。4月から豊田通商の商社パースンとして働く加藤さんに、自身の就活体験を伺った。
南山大学 加藤紘朗
◆どのような就活をしたか
2016年11月に部活動を引退したということもあり、ウィンターインターンシップに応募することから私の就職活動が始まりました。そこで総合商社のインターンシップに参加をすることができ、1つの商材に様々なアプローチができることを知ったので、総合商社を志望するようになりました。しかし私の性格上、1つのことに集中すると他に目がいかなくなってしまう傾向があります。そのため、3月に就職活動が解禁された際に、自分の知らない業界を積極的に調べ、自身の知見を広げることに努めました。志望した業界は、総合商社・自動車メーカーが中心でしたが、そのほかにも印刷業界など様々な業界も視野に入れて見ていました。
私の就職活動は「逆算型」だったと思います。「モノの価値を高める」仕事をしたいという、自分の中でぶれない軸を持っていました。そのため、その手段として業界や企業を選ぶ上で、様々な業界を見てはいたものの、どの面接でも「御社の○○によってモノの価値を高めることができるので志望しています」と、自分のやりたいことについて言い切ることができました。ぶれない軸を持っていたことが納得した就職活動ができた要因だと考えています。
◆なぜ商社なのか、なぜ総合商社なのか
「なぜ軽自動車が海外にはないのか」と考えたことがあります。
日本では非常に多く利用されているのにもかかわらず、海外では全くと言っていいほど利用されていません。私はこのことに疑問を持ち、「モノの価値とは」と考えたことがありました。軽自動を発展途上国に輸出したら需要はあるだろうと考えたこともありましたが、実際には道路状況などで現実性に欠けるという結論に達しました。このように、モノの価値を高めるということは非常に難しいことだと思いましたが、難しいからこそのやりがいがあると感じ、やりがいのある仕事としてモノの価値を高める仕事をしようと考えるようになりました。その中で、総合商社は扱う商材の幅広さから、様々な角度で1つの商材にアプローチできるという利点があり、また世界規模で商売を行うので、モノの価値を最大限に引き出すには総合商社だと私は考えました。
◆なぜその企業なのか
豊田通商を志望したのは、総合商社の中でも自動車分野に強いという特徴があったからです。祖父と父が自動車関係の仕事に携わっていたこともあり、モノの価値を高める中でも自動車にも関わりたいイメージがありました。自動車に関わることのできるチャンスがあるのとないのでは大きく異なるので必然的に豊田通商を志望しました。
これに加え、私は志望企業を考える際に、「社員の方が自分の仕事を好きかどうか」ということを大事にしており、自分なりの基準で判断していました。この判断基準は「1つの質問に対し、いくつの答えを貰えるか」というものです。人は自分の好きなことには饒舌になります。豊田通商には1つ質問したら非常に多くの回答をいただける社員の方々ばかりで、仕事が好きな人がどの企業よりも多いと感じました。仕事が好きな人が多い会社は社内の雰囲気も良いと考えているので、より志望度が上がりました。
◆情報収集
インターネットを主に利用していました。業界の動向や業界内での企業のポジション、その企業がどのような製品を扱っているかなどについて調べていました。このほかの方法として、ビジネス誌も読みました。簡単な内容ではありませんが、学生ではなかなか手に入らない業界の動向を理解できます。また、理解できなかったことを説明会などで実際に社員の方へ聞くことができ、「会話の糸口」にもなったので非常に便利です。企業研究や業界研究においてただ調べるだけでなく、「その業界が今後どのように変化していくか、その会社の製品はどのようにすればより売上が伸びるのか」など、自分なりの視点で考えることを心掛け、企業についてしっかりと研究しているという本気度を社員の方にアピールしました。
◆後輩へのアドバイス
就職活動では、「自分の経験を正確に伝えること」が大切だと思います。自身の大学生活での経験を初対面の人にも正確に伝えることは、簡単なことではありません。自分自身としっかり向き合い、自分の伝えたい内容を明確にする必要があります。これに加え、その内容に対して相手が受ける印象についても考えなければなりません。自己分析をすることはもちろんですが、OBOG訪問などを通して、より多くの人からアドバイスを貰うことも大切だと思います。
就職活動は孤独です。友達も場合によってはライバルになってしまうこともあります。自分が本当にやりたいことは何かをしっかりと考え、自分の軸を持ってください。自分の第一志望に受からない人も出てきてしまうこともあると思いますが、この就職活動を真剣に取り組めばどんな形であれ納得した結果が得られると思います。最初に描いた理想と違っても納得できるのであれば、それは最良の結果です。自信を持って頑張ってください。