女性就活生からのアドバイス
4月から双日で働く南山大学外国語学部アジア学科の永田しおりさんから、商社を目指す就活生に向けた、ご自身の体験記が届いた。女性総合職として商社を志望し、双日から内定を得た永田さんはどのような就活を行ったのか。
南山大学 永田しおり
4年生の11月の引退まで体育会アイスホッケー部にマネージャーとして所属し、就活を始めたのは3年生も終盤の1月から。地方就活生、体育会に所属している方、女性で総合職を考えている方、商社に興味がある方々のお役に立てれば嬉しいです。
◆学生時代に力を入れたこと
マネージャーとして体育会アイスホッケー部の課題に当事者意識を持って取り組んでいました。具体的には、①新入生勧誘方法を従来のものから変える、②新歓費の効率の良い活用法を考える、③他の花形スポーツの部活を研究していかに部を盛り上げられるかを考察する、④OBや他部活の人とのコネクションを築き活動にいかす等、とにかく自分がやれることは何でも情熱を持って取り組んでいました。もちろんすべての取り組みが上手くいったわけではなく失敗もありましたが、失敗から学んだことを次に繋げていくことを意識し、活動していました。
◆なぜ商社(総合商社)を志望したのか
愛知県生まれの愛知県育ちで大学も名古屋、自分の家庭も含めて周りは自動車関係の業界で働く人が圧倒的に多く、当初は自分も地元で同じような業界に就職するのだと漠然と思っていました。
しかしながら、就活が始まり、改めて自分のこれまでの経験を深堀りする中で、部活でがむしゃらに何事にも挑戦していた自分が持っていた「パッション」と結果を得たときの「達成感」、この2つを感じられる仕事かどうかが、自分の中で大きな軸になっていると感じました。
そして、そのような軸を持ちながら、業界研究を続ける中で出会ったのが総合商社業界でした。
ものや常識にとらわれずビジネスチャンスがあれば開拓し、社会に新たな仕組みをつくり、それによって国内外問わず多くの人々の生活を自分の手で変えられるかもしれない、そのような可能性が広がっている商社の仕事は、就活生の私にとってとても魅力的にうつりました。
また、院生のように深く追求した専門分野や特に好きなものが無かった私にとって、特定のものを扱う業界や会社に入るのではなく、配属された先で携わるものを通して、社会問題を解決していくことが合っていると考えました。
◆なぜ双日に決めたのか
まだ新しい総合商社である双日が、さらなる飛躍を目指して、これから双日としての歴史をみんなで創っていこうという強い熱意を会社全体から感じ、その熱意にとても惹かれました。そして、その中で自分もメンバーとして会社の成長に加わり、双日の歴史を創る一端を担いたいと強く感じたことが、双日に決めた一番の理由です。
◆商社でやりたいこと・夢について
総合商社ならではの“総合力”と、自分のアピールポイントである“他の人には無い着眼点”で新たな仕組みを創り世に送り出すこと。
◆自己分析はどうやってやったか
・自分史を作る
物心ついた時期から現在までを時期ごとに分けて、そのときのモチベーションの高低を横線で表し、自分がいつどんなときに頑張れたのか、どんなときやる気を失ってしまったのかを書き出していきました。
難しく考えずに簡単なもので充分ですので、一度丁寧に取り組んでみることをお勧めします。自分という人間の内面に真正面から向き合い、自分を知ることで、はじめて納得して就活を終えることができると思います。
・他己分析
自分の長所や強みは案外自分が意識していないところにあります。それはほかの人には無くて自分にしかない武器です。自分が就活の面接で最後までアピールポイントにしていた強みも、自身があまり気にしたことのなかったある一面でした(あらゆる自己分析を一人でやり込んだにもかかわらず自分では特に気に留めていなかったポイントでした)。
◆企業研究はどうやっていたか
・会社のHPを見る
・商社に関連する本を読んだり、情報を手にいれる
産学社『商社』や早稲田大学出版部『新・現代総合商社論:三菱商事・ビジネスの創造と革新2』等の商社本 / 過去の新聞やネット記事 / 就職四季報で会社の基本情報を見る
・すべての総合商社、専門商社の説明会やイベントに足を運んで情報を手に入れる
地方でもかなりの回数のセミナーや座談会が開催されています。現役社員の方が参加する座談会などは特に全部行く気持ちで積極的にイベントには参加してみてください。企業を知ることができるのはもちろんですが、名古屋は商社を志望する就活生が他都市ほど多くないので、いつしかセミナーでの顔ぶれも自然と似たようなものになっていき、貴重な就活仲間をつくることができました。
・OB訪問、社員訪問
説明会やセミナーでは得られない生の情報を聞くだけではなく、自分の考えを語ることによって、「自分のやりたいことは、本当に総合商社で成し遂げることができるのか」「自分のこれまでの経験は生かすことができるのか」等を知ることができました。
◆面接対策は何をしたか
・動画サイトで面接動画を観る
他人の面接風景を見ることで新たな気付きを得ることがあります。就活イベントなどで公開面接があったら参加することをお勧めします。
・WAC社の『ロジカル面接術』
話のネタや引き出しは沢山あるのにうまく論理的に順序立てて話せなかったので、この本を読んで整理しました。
・外資就活.com(アプリもあります)
過去の面接情報を確認しシミュレーションしました。総合商社の面接前数日間はほとんどこれを使って最後の仕上げと心の準備をしていました。
・自分が話しているところを動画に撮って見てみる
私の場合は、口角が意外と下がりがちだったので意識して上げるようにしました。自分では気付いていなくても、不必要に動いていたりするので、喋っている自分を客観視して修正していくことは大事だと思います。
・友達や一緒に総合商社を目指す就活仲間と共に模擬面接をする
ネットにあがっている『これで内定!総合商社志望者のための面接過去問102選』などを使いながら、すべての質問に答えられるように練習しました。(商社志望ではない友人にも聞いてもらうのがポイント。業界を知らないからこそ、自分の考えを上手く伝える練習になります。)
◆インターンシップ
兼松、阪和興業、三菱電機、豊通物流に参加しました。すべて1dayで4年生に上がる前の2月に参加したものです。業界研究が目的でした。部活をやっていたこともあり長期間にわたるものには参加しませんでした。
◆やってよかったこと
・幅広く業界を見て進路を絞らないこと
他業界の説明会や選考も多く受けました。なぜならメーカーや物流やインフラや損保ではなくて商社、総合商社でないとできないことは何か(なぜ自分は総合商社でなければダメなのか)をきちんと理解する必要があるからです。総合商社は様々な業界と関わって仕事をすることもあるので、あらゆる業界に触れてある程度の知識や会社を知っておくことは入社後の糧にもなります。また、新卒での就活は一生に一度なので様々な業界に触れるこのような機会は貴重だと思います。
◆女性の就活生として
海外など地元から遠く離れた場所で勤務する可能性もある総合商社という業界で、女性総合職として働くことに不安を覚える方もいるかもしれません。実際、私も色々考えて不安になり、志望する会社の女性社員の方や、地方出身で地元から離れて働いている人に積極的に話を聞きに行ったりしました。結婚・出産は両親がいる地元でするのが一番スムーズであるのは事実だと思います。最初の配属は大多数が東京勤務の総合商社で女性としてどう働いていくかを考えてみましょう。働くのは自分です。自分がベストな状態で長く働ける環境を見つけることも、就活の一部であると思います。
◆後輩たちへのアドバイス
就活は運や縁とはよく言われますが、自分でできることはすべて全力でやり切りましょう。そうすれば結果がどうなっても、やれるだけのことはやったと言いきれれば自分の進路に悔いは残らないはずです。私はそう思いながら必死に努力しました。もし双日から内定をもらえなかったとしても、悔いは残らなかったと思います。それだけ最後の最後まで努力しました。
情報は自分から積極的に発信することで自然と自身の周りにも集まってきます。情報戦である就活ではギスギスした雰囲気を感じることもあるかもしれませんが、私はこれを心掛けていたおかげか、後になってちょっとした良いことが自分に返ってくるということを何度も実感しました。
目標(行きたい会社名や将来の夢)は常に口に出していました。気恥ずかしいという気持ちも少しはありましたが、声に出していたおかげで自分の大学出身以外の社員訪問のアポを取り付けることに繋がったり、商社志望の少ない名古屋地域で「自分も総合商社志望なんだけど!」という就活仲間が寄ってきたりしました。
就活をしているときは人の支えの有難さを感じることが特に多く、周りの人に感謝し自分も相手に尽くすことが本当に大事だと改めて実感しました。就活はどんなに優秀な人でも絶対に自分一人でやれるものではないと私は思います。何があっても感謝と謙虚な気持ちを常に忘れないように!