双日 人事総務部 採用課
山路乾太さん(4)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。今回は、いま商社志望の学生たちから最も熱い視線が注がれている、若さと伝統を兼ね備える総合商社「双日」の人事総務部採用課の山路乾太さん。山路さんの言葉から、そのほとばしるような双日愛を感じていただきたい。
総合商社7社の中で私が双日を第一志望にした理由―――。それは学内セミナーで聞いた総合商社「双日」の歴史と伝統、そして試練を乗り越えて挑戦を続けるスピリットに強く共感したからです。私自身、大学受験では浪人を経験しました。それは私にとってとても辛い日々でした。また、大学入学後は幼いころから続けてきたアメリカンフットボール部に入りましたが、中学や高校にはほぼ部活のないこのスポーツに対して、大学入学後に初めて取り組む学生たちの意識や姿勢は様々。リーグトップを目指そうとする人もいれば、ただ楽しくプレーできればいいと考える人もいました。また、アルバイトなどもあり部活に多くの時間を割けない人も少なくありませんでした。そんな価値観の違う仲間たちを巻き込み、全国大学選手権を目標に掲げ、勝利へのモチベーションをみんなに浸透させていくのは、いわゆるアメフト強豪校では考えることのできない苦労がありました。そんな私だからこそ、双日の辿った決して平坦とは言えない150年の道のりに、どこか自分と重ね合わせるところがあり、この会社と共に歩みたい、この会社を大きくしたいと考えるようになったのです。折しも高校時代の家庭教師の方が双日に入社し、ドイツに赴任していたので連絡を取ったところ、「双日、いい会社だろ」と言った後、「ただし、そんなに簡単に決めてはいけない。いろいろな業界を見て、情報を集めて、その上で決めなさい」というアドバイスをもらいました。その言葉に従い、私は他業界も見て回ると共に、双日の社員訪問も数を重ねましたが、双日の社員に会えば会うほど、双日への志望度がどんどん高まったのです。この想いが通じたのが双日の面接であり、その結果、内定を得ることができたのだと思います。
双日の場合、最終面接まで複数回の面接を通じて、経験豊富な面接官は、皆さんの内面まで見ます。では、内定の可否の分岐点はどこかと言えば、想いの強さ以外にはないのではないでしょうか。それは口先で「入りたい」と繰り返すのではなく、自分で企業を調べ、社員に会うという行動に裏付けられた想いだと思います。よく商社が求める人材像に自分をアジャストする人がいますが、「内定上手」になる必要はありません。内定をいくつ取っても入社できるのは1社です。双日は七大商社の中でもとりわけ若手が会社を作り上げようと意気込む、熱気溢れる社風です。ですから「双日でがんばりたい」と心から語れる人こそ、双日の内定者たり得る人物だと思います。
このような自分の熱意の源泉を発見するためにも徹底的に自分を見つめなおしてください。人は自発的に行動を起こしたときにこそ成長します。これまでの人生で自分が心の底からうれしいと感じたのは、面白いと感じたのはどんなときだったのか。自分自身を深く見つめ、アンテナを張りめぐらせて自分に合う業界や企業を探してください。もしかすると皆さんは商社業界よりも他の業界のほうが合うかもしれません。学生の皆さんは往々にして興味ある物事に集中しすぎる傾向にあります。広い視野を持つこと、それも商社を志す人の素養の1つだと思います。みんなで同じ方向を目指して突き進むことに喜びを感じた私の場合、他業界も研究した結果、再び辿り着いたのが双日でした。
総合商社「双日」は、世界各地の課題を解決する事業を創出し、それを双日と社会の共通の利益とするため、不撓不屈の精神で挑戦を繰り返してきました。そして現在、さらに活躍のステージを上げ、新たな挑戦を加速させています。どんな状況にあっても、何度でも挑戦を続けることができる熱い魂を持った皆さん、双日のセミナーや面接の場で話し合える日を心から楽しみにしています。
山路乾太(やまじ・けんた)
1992年、滋賀県彦根市生まれ。広島大学経済学部卒。2018年入社。4歳からタッチフットボールを始め、虎姫高校では全国でも数少ないアメリカンフットボール部に入部。大学では広島大学RACCOONSの司令塔・クォーターバックとして、闘うチームを作り上げる。
「損保や金融、コンサルなどを見ていた私が商社業界に興味を抱いたのは、小学校・中学校時代のアメフトのクラブチームの先輩たちが商社勤務だったことから。七大商社のうち、学内セミナーで出会った双日の採用担当者に惹かれ、また、会社の未来を熱く語る若手社員の言葉から、“双日愛”に目覚めました。人事部への配属は希望部署の1つ。会社の代表として未来を担う同志探しをする採用担当という仕事は楽しいですね。将来は営業に出て、一人の人間として信頼される双日パーソンになりたいと思います」
『商社』2020年度版より転載。記事内容は2018年取材当時のもの。
写真:白井智