人事部発「学生たちに告ぐ!」

2021年03月15日

伊藤忠商事
人事・総務部
採用・人材マネジメント室
相馬隆光さん
(3)

商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。

 

それでは、ここからは私の就活経験を踏まえ、入社1年目の採用担当者として感じた点についてお伝えいたします。

大学院博士課程前期課程で分子生物学を専攻していた私が総合商社を志すきっかけとなったのは、企業と大学が連携して行う産学共同研究でした。院生時代、私の所属していた研究室ではさまざまな企業との共同研究を行い、社会に役立つような技術の種を発見してきました。ところが、その後そこで得た革新的な知見や最先端の技術にはなかなか陽の目が当たらないわけです。研究とその成果がそこで止まっているのはなぜか。それは、いくら技術があっても、技術をマーケットまで繋ぐ役割が不足しているからだと気が付きました。それなら私が研究成果を携えて世界に新しい技術を広めたいという想いを強く抱くようになり、メーカーやコンサルティングなどいろいろな会社のインターンシップに参加した結果、総合商社にたどり着いたのです。

その中で気が付いた総合商社の魅力、それは、変化し続ける社会環境の下、自ら学び、自ら発見し、自ら立ち上げ、成功を見届けるという、自分自身が主体的にビジネスに携わり、納得と満足を自社及び関係企業と共有できる点です。しかもその経営資源や人材の豊かさもさることながら、ビジネスを成功に導く最大のポイントである「挑戦」を恐れない風土や情熱が総合商社には備わっているのです。なかでも伊藤忠商事は、面接においても、社員が常に学生目線を持ち、新卒採用自体も社員の皆さんが〝自分ゴト〟として取り組んでいるのがよく分かりました。というのも、私が大学院時代に考えたバイオ関連の事業について面接で語った際、単に一学生の就活用トークの一つとして評価を下すのではなく、「それいいね、うちの会社でやっちゃおうかな」と意気投合して語り合うほどだったのです。他商社にはない食いつきの良さに、「こんな学生の意見を聞いて、この会社大丈夫かな(笑)」と思いつつも、そういった新しい挑戦に前向きである文化が伊藤忠商事らしさではないかと感じて入社しました。入社後も新入社員である私の意見を受け入れ、「挑戦」を後押ししてくれる環境があることを日々実感しており、この会社を選んで良かったと心から思っています。

現在、私は人事・総務部で採用担当として仕事をしていますが、私自身がそうであったように、伊藤忠商事では、有名大学出身者や学業成績の上位者、海外経験の豊かな方、あるいは体育会で好成績を残した方だけに内定を出すということはありません。皆さんが20年余りの間に育んできた経験から生まれる価値観や考え方を見ています。ですから、いままさに就活を始めようとしている皆さんに私から一つアドバイスするとすれば、まず自分を知り、自分の大切にしているものを知るところから就活を始めて欲しいということです。私は就職活動でさまざまな経験を積んだ社会人の方との会話を通して、自己分析を行いました。自分の言葉に対する相手の反応や質問などから、自分はどんな人間で今後何をしたいのか、そのために自分は何を意識してきたのかを、あえて具体的ではなく、抽象化していったのです。就活の初期段階では、面接において自分が細部まで考えたシナリオどおりに話が進まないことに焦りましたが、自分の想いや経験を抽象化することで、大きな方向性の中で話を進めることができ、面接全体として自分とはどんな人間か、そしてどんな想いを持って商社でビジネスをしたいのかを伝えることができるようになりました。その結果、弊社に縁があり、内定を得ることに繋がりました。

就活とは、自分自身だけでなく、ビジネスの世界を知ることができる絶好の機会です。ですから、自分の興味の範囲を広げて、多くの業界、多くの企業を見た上で伊藤忠商事の門を叩いていただきたいと思います。そうすることにより広い視野で、時代の「変化」に果敢に挑戦を続ける伊藤忠商事の良さを感じ取っていただけるはずです。「変化」を厭わずに挑戦したい、そう考える皆さんと出会える日を心から楽しみにしています。

 

相馬隆光(そうま・たかみつ)

1996年、秋田県湯沢市生まれ。5歳から高校卒業まで仙台で過ごす。筑波大学大学院生物資源科学専攻(博士前期課程)修了。2020年入社。院生時代に携わった産学協同の研究成果に陽が当たらなかったことから、技術とマーケットを結びつける必要性を痛感し、豊かな経営資源を背景に新規事業を最初から最後までスピード感を持って実現できる総合商社を志望する。

「具体例を示しながら新しい技術を世に出したいと語る私に、“あ、それいいね”と予想以上に共感していただいたのが伊藤忠商事の面接官でした。説明会では総合商社各社の違いを見つけることはできませんでしたが、社員の方と話をしていて断トツに楽しかったのはウチでしたね。配属先には驚きましたが、“新しいことに挑戦してみたらどう?”と言われて、確かにそれもそうだなと納得しました。いまは無我夢中で仕事をしていますが、将来はどの部署であったとしても、自分で見つけた技術を世に出すことができたら、という夢を持って働いています。AIを使った採用とか、バイオベンチャーと協業して社会が必要とする新しい技術を世に出すとか、いままでにないことをしたいですね」

 

取材:2020年9月

 


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