人事部発「学生たちに告ぐ!」

2021年03月6日

住友商事グローバルメタルズ
人材・総務グループ 採用・人材育成チーム 主任
菊池大輔さん
(3)

商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。

 

〝双方向〟のコミュニケーションを重視する採用活動

では次に、そうした人材を採用するにあたって当社が行っている広報及び採用活動についてお話します。当社はコロナの影響を受ける前から〝双方向〟のコミュニケーションを重視してきました。現在は毎月人事座談会を実施しているほか、毎月テーマに沿って社員からの話を共有するSCGM Seminarを実施しています。ちなみに、座談会で会社説明は殆どやっていませんし、SCGM Seminarであっても、会社説明は長くて3分くらいしかやりません(笑)。60分間のうち、30分は質疑応答に充てて、皆様からの質問に全回答しています。とにかく皆さんとしっかり話をしたいと考えています。2020年は途中からオンラインに切り替えましたが、ライブでのQ&Aはたっぷりと時間を確保して皆さんの疑問にお答えしています。昨年度の実績ベースでは本選考期間前に、女性基幹職座談会、管理職+中堅+若手の3名が登壇するSCGM キャリアセミナー、各国の駐在員から生の声を届けるグローバルセミナー、営業社員との少人数座談会も数十回実施しました。

インターンシップは、皆さんのキャリア形成支援の一環として商社ビジネスと当社への理解を深めていただくために行っています。2020年は9月の上旬から中旬に2daysを計2回、そして11月下旬から12月中旬の秋、1月下旬から2月中旬の冬の期間で2dayを3回ずつ実施します。開催はいずれも原則オンラインです。内容は当社が行う『自動車鋼板のトレードビジネス』をモデルとして、情報入手から最終価格の提案まで、グループワークを通じビジネスを体感できるプログラムです。市場予測、お客さまのニーズに応える力、提案力など、商社パーソンに求められる能力・知識をリアルに体験することができます。また、インターンシップには多くの社員に参加してもらっており、20人近くの社員とお話し頂けます。

この他にも事業投資インターンシップを実施予定であり、詳細はマイページからご連絡させて頂きます。

 

選考のスケジュールと内定者数

本選考に関わる会社説明会は2月下旬からオンラインを想定しています。当社から一方的に説明をするのではなく、皆さんからの質疑応答を受けられる形にしていく予定です。

商社ビジネスは華々しいイメージが先行しがちですが、国内においても、そして海外においても地道にコツコツ進めていく、強いて言えば泥臭い側面があります。実際、私自身、入社後の配属は国内の鉄道事業者に車輪を始めとした鉄道部品を納める業務を行っていましたが、売り先と仕入れ先が固定、当社が取引のほぼ100パーセントシェアを握っていました。故に、120パーセントの成果を常に求められ、当たり前のことをミスなく、当たり前以上に進めること、忍耐力を持ってビジネスを進めることの大切さを知ることができました。また、鉄の最終製品である車輪等を実際に目で見て理解することができたのは鉄鋼商社パーソンとして重要な経験でした。その後、アジア・オセアニア地域の輸出担当としてインドネシアやオーストラリア、インドなどの海外担当を務めました。現地の経済状況といったマクロ感の把握から始まり、現地企業のニーズを調べ、毎日、現地スタッフと電話して作戦を練っていました。その中で、商売の可能性を模索できそうな現地の大手企業に対し、綿密にロジックを立てて、アポイントを申し込んだところ、副社長までプレゼンの場に引っ張り出すことができ、新たなビジネスの種を撒くことができました。地道にコツコツ時間をかけ言葉を尽くして粘り強く努力ができないと、新しいビジネスを検討するのは難しいです。また、どの商社に入っても同じと思いますが、商社の華々しい面ばかり見るのは絶対にお勧めしません。花形の大きなプロジェクトも先輩たちの地道な努力の結果生まれたもので、その過程にどんな努力があったのか、会社説明会ではその点をじっくりとお話しします。

またOB・OG訪問は社員訪問という形で実施しています。あらかじめメールで学生さんから「就活の軸」と「話を聞きたい社員像」の2つを尋ねて、それにマッチする社員を選んで紹介する仕組みです。ぜひ積極的に活用して、当社のリアルな姿を知っていただきたいと考えています。

選考の過程で先に申し上げたキャリアセミナー、グローバルセミナー、社員との少人数座談会など、多くのイベントをご用意します。2021年4月入社の内定者には、当社のイベントにフル参加して、凡そ40人の社員と話した人もいます(笑)。実際に働いている姿をリアルタイムで感じ、是非積極的に質問をして自らの将来像を描いてみて欲しいと思っています。

選考のスケジュールは、2021年入社の方の場合、今年4月上旬までにエントリーシートを提出し、その後に複数回の面接を行いました。そして男性6名、女性3名の計9名の方が内定しています。内定者の顔ぶれを見ると、体育会系の人、勉強やゼミ活動で成果を挙げてきた人、留学に打ち込んできた人、アルバイトやインターンを頑張ってきた人など、みんなそれぞれいろんな経験をしている人が集まっています。

 

自分の価値観に一番フィットする会社を見つけて欲しい

では、最後になりますが、私の就活経験を通して、また採用担当者としての視点から皆さんに就活についていくつかアドバイスさせてください。

まず、就職活動にあたっては、沢山の企業を見てその中で自分の価値観に一番フィットする会社を見つけて頂きたいと思っています。当社からは一貫して「いろいろな業界、企業を見てください」ということをお伝えしています。内定を得ることがゴールではなく、皆さんが働き出してから活躍できる場所を見つけるのが就職活動です。最終的にどの会社で働くのかを決めるのは皆さんの価値観であり、企業が皆さんを採用するわけではありません。当社の採用活動は皆さんに選んで頂ける要素があるか、その判断材料を提供する場と認識しています。皆さんとしても自分の人生を自分で切り拓くために、様々な企業を比較し、自己分析を繰り返していって頂きたいと思っています。

一緒に職場を共にしたい人材については、私たちの間でも常に話し合ってきました。そのなかで言えるのは、まず好奇心が強い人。海外、それも余白があるところを攻めていかなくてはいけない現状では、既存のビジネスを回すだけでなく、新たなチャレンジが欠かせません。それが好奇心ということです。

またもう一つ、素直であるということも不可欠。言葉も文化も異なる人たちを相手にして仕事していかなくてはいけない状況では、まず相手の話をしっかり受け入れられる素直さが重要となるからです。

最後にもう一つ、自分の成長のために努力を惜しまないということ。例えば「経営者になりたい」とか、「後世に残るビジネスをしたい」とか、そういう高い目標と強い意志を持って入ってくるのは、とてもいいことだと思います。大事なのはそうした目標に向かって、愚直に努力し続けていけるかどうか。何度も自分に問いかけながら、常に課題を意識して、勉強を欠かさない人。当社にはそんな人が活躍できる環境が整っています。

私たちも採用活動を通じて、良い意味で背伸びせず、ありのままの会社の姿、社員の姿を見せていきたいと考えておりますので、当社が皆さんの選択肢になれれば何よりです。

 

菊池大輔(きくち・だいすけ)

1989年、静岡県伊豆市生まれ。立教大学文学部卒、中央大学大学院修士課程(フランス文学専攻)修了。2015年入社。大学院では三浦信孝中央大学教授に師事。修士2年目にスイス・ジュネーブ大学に留学し、多言語主義の研究に没頭する。もともと商社ビジネスに興味があったが、すでに社会人となっていた先輩・友人たちからこぞって「商社向き」と言われたことにも後押しされ、本格的に商社を志望。就活では専門商社にターゲットを絞ったという。

「営業部門に配属され、海外でビジネスの最前線に立ちたいと考えていたので、配属リスクの高い総合商社よりも、商材が明確でキャリアパスをイメージしやすい専門商社を見ていました。その中でも最も自身のキャリア軸を実現する可能性が高い当社を就活序盤から第一志望にしていました。『鉄』という商材はグローバルビジネスですし、取り扱い額も大きく、今後の展開も楽しみでしたので、鉄鋼商社をすべて回った結果、面接官と息がぴったりと合い、第一志望でもあった住友商事グローバルメタルズへの入社を決めました。配属当初は輸送機材事業部の国内営業、3年目からアジア地域の担当も任され、充実した日々を送っていましたが、この会社の魅力や底力を学生の皆さんにもっと伝えたいという欲求が強くなり、入社5年目のキャリア面談で自ら採用チームへの異動を希望しました。2022年入社の採用活動では住友商事グローバルメタルズの良さを前面に打ち出していきたいと思います」

 

取材:2020年9月

 


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