人事部発「学生たちに告ぐ!」

2021年03月12日

守谷商会
人事部 人事課
人事・採用担当
神田篤志さん
(3)

商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。

 

では、最後になりますが、理系出身者である私の就活経験や入社後の営業経験、また、採用担当者としてのアドバイスなどをお話しいたします。

メーカーの内定を得ていた私がそれをお断りしたのは、メーカーが一つの商材、たとえば自動車メーカーなら自動車という商材に縛られてしまうということに、仕事としての限界を感じたからです。そんな中、偶然、守谷商会という機械商社の存在を知り、その商材を見てみると、機械工学を学んでいた人間にとってキラリと光るものを感じました。しかも、系列に縛られてしまう大手商社やメーカー系商社とは一線を画し、「独立系商社」・守谷商会が扱う機械や取引先に限界はありません。さらに、日進月歩で進化を続ける機械という商材は、たとえば鉄鋼のようにどこで作ってもほぼ同じ品質のため、結局のところ価格勝負となるわけではなく、営業マンとしての知識をフル活用した最先端機械をカスタマイズすることにより他の機械との差別化ができ、まさに自由な裁量で最良のビジネスを行うことが可能なのです。そんなことから当社に興味を持ち始めたのですが、営業という職種については、正直申し上げてずっと不安を抱いていました。大学の文系の友人たちは守谷商会のことをよく知っていて、私が内定を得たことをとても羨ましがっていましたが、理系の同期からは「本当に営業ができるの?」と怪訝そうな顔をされたのを覚えています。ただ、入社して実際に営業に出てみると、想像していた飛び込み営業などはなく、守谷商会が120年かけて培ってきた信頼関係を前提とした営業でしたので、取引先が抱えている問題を聞いて回り、その解決を手助けするという,ある意味、工学系の研究のような仕事でした。ですから、不安は解消されたことはされたのですが、一つ問題もありました。それは何気ない会話、いわゆる雑談です。取引先のうち年配の方たちと、多いときには二、三日おきに会うことになり、しかも1時間ほどお邪魔して仕事の話は5分から10分だけ。あとは雑談をしなければならず、実は入社当初、これが営業トークよりも難しいものだったのです(笑)。しかし、 ビジネスのヒントは、こんな何気ない雑談の中から生まれるということも少なくありません。ですから、人間力はもとより、〝研ぎ澄まされた雑談力〟を培おうと努力しました。

守谷商会のビジネスは、規模の大きいものは一つの取引金額が非常に大きいので、成約した場合には自分で稼いだという実感が湧いてきます。時にはその大きさに鳥肌が立つこともあります。また、エンジンの製作という案件を立ち上げたときは、一軒家ほどもある巨大なエンジンを楽しみながら作ることができ、実際に製作したのはメーカーなのに、まるで自分で作ったような感覚があって、完成品のお披露目の席で興奮の余り体が震えたことを今も鮮明に覚えています。

人事部に異動し採用担当となって5年目となりますが、その中で私が重要性を感じているのはOB訪問です。 当社に限らず、皆さんが志望する会社のことを詳しく知りたければ、とにかくOB訪問をしたほうがいいと思います。当社の場合、採用実績がある大学の就職部やキャリアセンターにはOBリストをお届けしていますので、そこから直接アポイントを取っていただくことができます。また、OBのいない方は、さきほどお話ししたインターンシップに申し込んでいただければ若手社員と話すことができます。積極的に活用して、守谷商会の最前線で活躍する、最高にプロフェッショナルな社員たちの話に耳を傾けてみてください。

守谷商会自体は決して規模の大きな会社ではありません。しかし、その分、社員や家族を大切にする会社です。また、エンジニアリング商社としてのレベルやクオリティはずば抜けて高い会社です。あえて社内にメーカー機能を持たない独立系商社であることも、中立な立場で世界中のメーカーやクライアントとビジネスを行う上で大きなメリットとなっています。さらに、クライアントも各業界のトップカンパニーばかりですので、日本のモノづくりで使われる最先端の機械を提案することができ、「あの製品は自分が携わった機械から作られたもの」という、自分だけの秘めた満足感を得られる仕事でもあります。

冒頭でお話ししたように、守谷商会は「リアル」を支える商社です。目先の利益に目が眩んだ資源ビジネスや新興国との価格競争に巻き込まれる鉄鋼のような汎用商材ビジネスではないので、巨額損失を計上したり、損失覚悟の無理な契約をしたりすることもありません。ですから、この国難とも呼ばれる社会状況下においても、しっかりと安定した収益を積み上げるビジネスを展開しています。

「君が売った機械が、タイムマシンを作るかもしれない」

守谷商会の採用情報HPに掲げられたこのキャッチフレーズは、私たちが「リアル」を支え続けた先に訪れる未来社会において、ついにタイムマシンが完成したとき、そのマシンの片隅にはきっと「MORITANI(モリタニ)」のロゴが入っているという夢と期待を表現したものです。そして、そのマシンを提案するのはまさに皆さんなのかもしれません。

こんな私たち守谷商会で、オンリーワンの実力を蓄えた営業マンとして力いっぱい働いてみたい。そうした熱い気持ちや心躍るようなワクワク感をお持ちの皆さんと、セミナーやインターンシップの場でお会いできることを楽しみにしています。

 

神田篤志(かんだ・あつし)

1978年、神奈川県相模原市生まれ。成蹊大学工学部機械工学科卒業。2001年入社。パソコンで設計図を引くだけ、現場で装置を組み立てるだけの仕事に面白みを感じられず、 複数の内定を辞退し、守谷商会のビジネスに惹かれて入社を決めたという。

「商材である機械を愛せる自信はありましたが、営業には不安もありました。ただ、経験豊富な人事の方が太鼓判を押されたので、なんとかなると思いました。面接では英語が苦手だと伝えましたが、特に問題はなさそうでした(笑)。ただ、昇進する場合にはある程度のTOEICスコアが必要となるので、入社後に勉強の必要があります。取引先のキーマンは理系の人が多く、中には気難しい方もいましたが、私自身が何事も気にしない性格だったので、現場の空気を読みつつ営業に訪れるうちにいつしか注文をいただけるようになりましたね。守谷商会はリアリストなので、自分たちの強みにフォーカスし、大きな利益に結びつけます。ですから、社員は、取引先に信頼されるとともに、常に機械への興味を持ち勉強を怠らず、顧客と一緒にビジネスを展開できるような産業用機械のスペシャリストに成長することが求められます」

 

取材:2020年9月

 


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