岡谷鋼機
人事総務本部 人材開発室
入江和宏さん(10)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。今回は、創業350年、鉄鋼と機械の「グローバル調達パートナー」として有名な「岡谷鋼機」の採用担当・入江和宏さんだ。
人がビジネスを支える商社という業態で、会社にとって非常に大事な仕事を任せてもらっています。採用に携わった新人が責任感を持ちながら仕事に取り組む姿を目にすることができ、その育成までも担うことに仕事のやりがいを感じています。
一方で、7年間学生の皆さんと接する中で、近年では少し残念に思うこともあります。それは、新卒採用が売り手市場と言われるなかで、就活の準備が不足している方が以前よりも増えてきたことです。就活の準備には〝自己理解〟と〝仕事理解〟の2つが重要ですが、少なくとも自己理解はしっかりと深めておくことが大切です。それができていれば、自動的に自分にあった仕事とも結び付けることができるはずです。これまでの自分の経験を振り返り、それがどういう意味を持つ経験だったのか、そして自分のどんな特性や能力がいかされた経験だったのかを考え、かつそれを人に分かりやすい言葉で話すことができるようにしておくことをお勧めします。何も意識しなければただ流れていくだけの体験も、自分事と捉えて成長につなげることができる人は、会社に入っても伸びます。当社は社員1人ひとりの存在感が大きく、発言も受け入れられやすい社風があります。多様な個性を持った方たちと出会えることを、今年も楽しみにしています」
入江和宏(いりえ・かずひろ)
1989年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。2012年入社。採用企画から社員の教育研修まで幅広く担当。
⇒岡谷鋼機
『商社』2020年度版を加筆修正したもの。
写真:花木啓示