人事部発「学生たちに告ぐ!」

2021年03月3日

稲畑産業
人事室 人財開発部
下根迅人さん
(3)

商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。

 

海外を舞台に新規事業へのチャレンジを続ける

新しいビジネスへの挑戦は、全社的なテーマとしても積極的に取り組みを加速させています。

当社がいま成長が見込める市場・未開拓分野として注力しているのは、「自動車分野」「ライフサイエンス・医療分野」「環境・エネルギー分野」「農業を含む食品分野」の4つ。「自動車分野」はグローバルユーザーへの販売を拡大、「ライフサイエンス・医療分野」は医薬品原料(原薬・中間体)の販売が伸長、「環境・エネルギー分野」は高付加価値の材料販売とシステム販売に注力、そして「農業を含む食品分野」は北海道余市町との連携で取り組んでいたブルーベリー事業が初出荷を迎えるなど、新しい事業へのチャレンジが次々と実を結んでいます。

また2018年には、レジ袋有料化でも注目される生分解性プラスチックの米ベンチャー企業に出資。同社は2020年に中国工場を立ち上げて生産能力を増強しており、当社がタイの工場で加工した上で販売する計画がスタートしました。

当社ではこうした幅広い分野の新しい事業に対し、各部署がそれぞれの取引先と協力しながら取り組んでいる点も特徴的です。例えば情報電子第二本部では、情報電子事業でつながりのある企業の高機能フィルムを転用し、中国での農業事業を形にしました。また化学品本部でも日本国内でシェアの高い農業資材を海外に積極展開してオレンジの栽培を手がけたりと、それぞれの部門の枠にとらわれない自由な取り組みを繰り広げています。新規ビジネスの創出にどんどん挑戦したいという気概を持っている人は、ぜひ当社にその意気込みをぶつけてほしいと思います。

もう一つ強調したいのは、当社は海外ビジネスに強いということです。こうした多様なビジネスの主なフィールドは、もちろん世界です。当社は17か国に約60の拠点を展開し、海外ビジネスの比率をますます高めています。すでに海外の売上高は2020年3月期で53%に達しており、2030年にはこれを70パーセントにまで高める目標を掲げています。

海外駐在員の数は、現在約100名。今後さらに増える傾向にあり、入社後3年程度で駐在するケースもあります。また海外出張の頻度・期間・地域は部署ごとにさまざまですが、入社1〜2年目で経験する人も少なくありません。営業担当社員の4分の1が海外にいる状況であり、みなさんも世界に挑戦するチャンスはあるということは自信を持って言えます。もちろん国内にいても、海外ビジネスとの接点は常に用意されています。特に海外志向の強い学生さんには、この点はぜひアピールしておきたい部分ですね。私自身もいずれ営業社員として自分でビジネスを作って、世界へどんどん広めていきたいという目標を抱いています。

 

オンラインをチャンスと捉える

皆さんはコロナ禍の影響で例年と違った大学生活、就職活動を余儀なくされています。Withコロナという言葉があるように、就職活動においても、このような状況に向き合っていくしかないと思います。皆さんにはこの状況をプラスに捉えて、利用してやるくらいの気概で就職活動に臨んでほしいと思います。

例えば会社説明会も対面だと1日に足を運べる数は限られていますが、オンラインなら最大4〜5社くらい続けて参加できますよね。そうしていろいろな業界、企業について学ぶことで、見聞を大いに広げることができるのではないでしょうか。

私自身、当初から商社志望だったわけではありません。しかしたくさんの業界、企業を見て回ったからこそその魅力に気づくことができ、当社と出会うことができました。ある意味でいまの状況は、就職について理解を深める格好のチャンスともいえます。

その上で皆さんにお伝えしたいのは、自分自身をしっかり持って就職活動に臨むということ。他人の目を気にするのでなく、自分がやりたいことを最優先に、とことん進みたい道を追求してほしい。ぜひそんな皆さんとお会いできることを、楽しみにしています。

 

下根迅人(しもね・はやと)

1997年、兵庫県出身。甲南大学経済学部経済学科卒業。小学生時代から打ち込んできたのは、野球。ポジションは内野手だ。惜しくも甲子園出場は逃したが、大学3年生の時には準硬式野球で全国大会のベスト4まで進んだ。

「部活の関係で就活を始めたのが遅く、とにかく業界を絞らず片っ端から説明会に参加しました。そんななかで商社を受けている友人の話を聞き、自分も関心を持つようになりました。当初は鉄鋼関係の商社に関心があったのですが、化学専門商社が扱うビジネスの幅広さ、そしてその将来性に魅力を感じ、当社の門をくぐることになりました。でも決め手は、お話しした通り、面接で実感した人に対する姿勢、その社風が一番大きかったと思います」「2021年も不透明な部分はありますが、やはり『会う』という採用活動のポリシーを大事にしつつ、学生さんたちと直接言葉を交わしたいと思っています。会話を通じて、こちらも学生さんを評価するし、学生さんには我々を評価してほしいと思っています。型にはまらない面接と言いましたが、色々な角度から会話することで互いを深く知ることができるのだと思います。ぜひ皆さんと、そんなやり取りができることを楽しみにしています」

 

取材:2020年9月

 


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