伊藤忠商事 人事・総務部
岸本莉香さん(2)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。今回は、学情調査による2019年就活学生の人気ナンバーワン企業に輝いた、伊藤忠商事人事・総務部採用・人材マネジメント室の岸本莉香さん。自らの経験も含めて語る岸本さんからのアドバイスに耳を傾けてほしい。
2019年入社の学生の方たちを対象とした採用広報活動は3月1日に開始し、エントリーシート・テストセンターでのSPI受検結果・自己PR動画・大学成績情報の四点の提出締切を一次:3月30日、二次:4月20日の二度設けました。できるだけ一次締切までに提出いただきたいのですが、学生の皆さんの学業・研究や体育会などのスケジュール上難しいこともあることから、二次締切も設けました。
エントリーシートは「あなたの信念は」など、30文字程度の短い回答で纏める12の質問を用意し、一問一答形式でお答えいただきました。また、自己PR動画は「あなた自身を一言で表すと」と「伊藤忠商事というフィールドでやってみたいこと」という2つのテーマで各1分ずつの動画を提出いただきました。動画選考では、エントリーシートだけでは伝わらない学生の皆さんの素のままの個性や伊藤忠商事への熱い想いを感じることができ、心の底から「直接お会いしたい」という気持ちが湧いてきました。
昨年、私もPR動画を提出しています。カメラを固定させず、手持ちでインカメラにてフォトジェニックに撮影したつもりでしたが(笑)、入社後に先輩採用担当者に聞いたところではそれ自体はプラスにもマイナスにもならなかったとのことでしたので、撮影に際して奇をてらう必要は全くありません。動画選考は、皆さんの熱意を表すツールが1つ増えたと考えていただければいいと思います。
この書類・動画選考を通過した方には6月の面接選考へと進んでいただきました。一次選考は社員2名と学生2名の面接形式、二次選考は学生6名を3名ずつに分けてディベートを行った後、社員3名と学生3名での面接を行いました。ディベートでは、論理的に主張することのみならず、リーダーシップや協調性などもポイントです。最終選考は社員3名と学生1名にて面接を実施しました。
次に事務職についてご説明します。2019年入社の新卒採用では、6月初旬の総合職の採用選考の後、時期をずらして選考を行いました。選考プロセスは総合職と同様で、エントリーシート・テストセンターでのSPI受検結果・自己PR動画・大学成績情報を提出いただき、面接を複数回実施しました。
以上のプロセスを経て、現時点(10月中旬)の内定者は総合職109名、うち女性は20名、理系の院卒は16名、事務職は11名となりました。
それではここで、私の就職活動と伊藤忠商事での採用活動の経験をもとに、皆さんに2つだけアドバイスをお伝えしたいと思います。
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