三井物産 人事総務部人材開発室
稲垣貴大さん(1)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。今回は、「人の三井」こと三井物産の人事総務部人材開発室で採用を担当する稲垣貴大さんである。
皆さんは三井物産の企業理念や社風をどの程度理解されていますか。当社は、単に「多角的なビジネスをグローバルに展開する商社」ではありません。まずはその点からお話しさせていただきます。
三井物産には、旧三井物産創立時から根付いているDNAとして、「挑戦と創造」「人材主義」「自由闊達」という3つの言葉があります。三井物産の事業の本質的な意味、それは社会や人々の暮らしの中に潜在するニーズを察知し、課題を見つけ、創意工夫を凝らし、ビジネスの仕組みづくりをすること、そして一人ひとりが主体となって実行を繰り返す中で、新たな価値を創造することにあります。
当社は「世界が抱える課題の産業的解決者」として、常に新しい分野に挑戦し、時代に先駆けた三井物産ならではのビジネスを創造してきました。「挑戦と創造」とはそんな私たちのビジネスに向かう姿勢を表現した言葉であり、すべての社員のDNAとして受け継がれています。そして一人ひとりの「挑戦と創造」を支えるため、「人材主義」の理念を掲げ、強固な人材育成の環境を整えています。加えて、社員の自由な発想と行動を促すインフラ基盤とも言える「自由闊達」なフィールドを備えており、これらが相互作用しつつ、「想い」や「志」をチャレンジする社風が醸成されてきたのです。
モノを持たない総合商社・三井物産における最大の財産は「人」です。先人の言葉の1つに「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」というものがありますが、「仕事」をつくるのは「人」です。その時代その時代に必要とされる価値を生み出す仕事をつくるとともに、世の中に新しい価値を生み出すことのできる人材を育成することこそ三井物産の使命だと考えております。先行き不透明な現代社会において、徹底的に強化された個、すなわち揺るぎない基軸を持ちつつも状況変化に柔軟に対応できる様々な分野の〝プロ人材〟が、「挑戦と創造」によって新たなビジネスの創出や価値創造を行うことが当社には求められているのです。
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