三井物産 人事総務部人材開発室
稲垣貴大さん(3)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。今回は、「人の三井」こと三井物産の人事総務部人材開発室で採用を担当する稲垣貴大さんである。
まず3月から担当職志望者向けに2つのセミナーをスタートさせました。
1つ目は「MITSUI & CO. Active Talk Lounge」で、担当職社員1名あたりに10名ほどの学生が膝詰めで話し込む、約2時間の小規模な座談会形式のセミナーです。当社内のほか、全国の大学周辺のカフェで開催したこのセミナーでは、会社説明は一切行わず、三井物産の社員一人ひとりの仕事への想いや未来、夢、実際の業務、さらに大規模セミナーでは聞きにくい、込み入った質問まで、納得いくまで尋ねられました。なお、このセミナー以外にも「業務職セミナー」「AI専攻者向けインタラクティブセミナー」「企業法務セミナー」「博士課程向けセミナー」などのテーマ別の小規模座談会も実施し、幅広い層の学生の皆さんが当社での将来像を思い描きました。
もう1つは、「『挑戦と創造』追体験セミナー」という約2時間半のグループワークセミナーです。このセミナーには「トレーディング編」と「事業投資編」の2つのカテゴリーがあり、総合商社の事業の基本であるトレーディングビジネスと、総合商社ならではの事業投資ビジネスの立ち上げフェーズを、それぞれ現実のビジネスを題材として追体験していただくというものです。担当職社員が何をきっかけに発案し、どのように社内での提案を通したのか。また、クライアントや現地の人たちとの交渉を行い、案件を成功へと導いたポイントは何だったのかを追体験していただきました。このグループワークを通じて、三井物産が行うトレーディングや事業投資の本質である「挑戦と創造」の魂を学生の皆さんに実感していただけたのではないかと思います。このセミナーは東京本店及び全国五支社で複数回開催し、非常に多くの応募者の中から計数千人の方が参加されています。
3月の中旬からは、「MITSUI & CO.業務職志望者向け説明会」も開催しました。担当職の仕事との違い、業務職の働き方ややりがいなどを、現場の業務職社員との座談会を通じて理解するという内容で、東京本店及び全国の支社で実施しました。このほか、担当職と業務職のどちらで応募するか迷っている方や働き方に悩んでいる方向けに「担当職/業務職混合座談会」も開催しました。
こうしたセミナーや座談会を経て、担当職志望者にはエントリーシートや筆記試験の書類選考を実施し、選考通過者には専用のセミナーを一次面接の実施都市にて開催し、面接開始を前に再度、当社社員の魅力をお伝えする機会を設けさせていただきました。
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