三井物産 人事総務部人材開発室
稲垣貴大さん(4)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。今回は、「人の三井」こと三井物産の人事総務部人材開発室で採用を担当する稲垣貴大さんである。
面接は6月1日から開始しましたが、2018年は6月選考、7月選考、合宿選考(7月・8月)の3種類の選考を行いました。
6月選考は複数回の面接を行う従来型の選考で、7月選考は主に海外留学中や公務員試験・司法試験準備などの理由で6月選考を受けることができなかった学生を対象とした選考です。また、合宿選考(7月・8月)は当社の研修施設にて1泊2日の泊まり込みでグループワーク等を行う合宿型の選考で、計2回実施しました。この合宿型の選考は、参加の前後には面接を行いますが、合宿期間中は三井物産の社員と学生がじっくりと時間をかけて触れ合うことで、お互いの考え方や相性などを素の部分まで見定めることができるため、入社後もスムーズに業務に入って情熱を持って仕事に臨め、互いのミスマッチを防ぐことができるというメリットがあります。こうした選考の結果、約130名の方が担当職に内定しています。担当職内定者のうち理系は約3割、また女性も約3割程度を占めています。一方、業務職は6月中旬から面接を開始し、複数回の面接を経て、約45名の方が内定しています。
なお、当社はキャリア教育を目的とするインターンシップを、12月から4月に全国6都市において、3日間の日程(1泊2日と一定期間を空けてから1日)で実施しました。これは商社の事業内容を知るとともに、学生の皆さんの人生のキャリアデザインの一助となることを目的として開催しているものです。今回、3日間の日程中、一定のインターバル期間を設けたのは、1泊2日のインターンシップで受けた刺激に対してインターバル期間中にどのように思考・消化・対応し、自ら成長できたのかを、確認できる機会となるのではと考えたためです。
さて、昨今「働き方改革」という言葉をよく耳にすると思いますが、三井物産は2015年より、従来の働き方を効率性・生産性の観点から見直し、メリハリある働き方を実現していくとともに、必要に応じて新しい施策を導入する「働き方改革」を本格的に進めています。当社は、例えば、それまでは全員が同じ場所・同じ時間帯で業務を行ってきましたが、2016年に時間単位の年次有給休暇制度やモバイルワーク制度、2017年には個人単位の時差出勤制度を導入し、2018年には在宅勤務等のトライアルを実施しています。
当社の働き方改革は、このような全社としての施策展開だけでなく、各現場での積極的な議論・業務見直し等の具体的な改善活動も実施されており、若手社員が中心となってアイデアを提案・実行している現場も数多くあります。このように社員一人ひとりが仕事へのやりがいを持って能力を最大限に発揮できる環境を全社一丸となって整えることで、会社全体として競争力を強化していくことを三井物産は目指していますが、働き方改革だけでなく、社員の「ワークライフ・マネジメント」の支援等の一連の取組を通し、国籍・性別・価値観など多様なバックグラウンドを持つ人材が能力を最大限に発揮できる環境をつくる「ダイバーシティ経営」をこれからも当社は推進していきます。
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