人事部発「学生たちに告ぐ!」

2021年02月11日

日鉄物産 人事部・人材開発課
土屋僚太郎さん(1)

商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。

 

多様な人材がそれぞれの個性を輝かせられる環境

「鉄鋼」「産機・インフラ」「繊維」「食糧」の各事業分野で業界トップクラスの実績を実現している当社は、総合商社を目指すのではなく、あえてそれらとは一線を画した存在でありたいと考えています。それは当社が事業領域の広さのみを特徴とするのでなく、商材やビジネスを極めたプロフェッショナルたちが4つの事業領域に集中し、高いシナジー効果を発揮することで成長する企業だからです。

そんな当社は、〝求める人材像〟をあえて明確に定めていません。人材の多様性を重視する当社は、採用にあたってさまざまな個性を持った学生さんに来てほしいと思っているからです。

個人的な体験をお話しすると、私が就職活動を通じて当社に感じた魅力の一つが、やはりこの人材の多様性でした。というのは、出会う社員一人ひとりがみな個性の強い人ばかりで、なおかつみんな楽しそうに仕事をしているんです。多様な人たちがそれぞれの商材でビジネスを繰り広げながら、個性を輝かせている―。そんな当社がとても魅力的に見えたことが、入社を決めた大きな理由になりました。

私がいま所属する人事部だけを見ても、台湾、マレーシア、アメリカなど、さまざまなバックグラウンドを持つ人材がたくさんいます。私も、入社2年目でマレーシア出身、アメリカ出身の後輩ができるとは思っていませんでした(笑)。こうした多種多様な人たちと働くことで自分の可能性を広げていける環境が、当社には整っています。

ただしつけ加えるなら、その一方で〝時代が求めている人材〟というのが存在するのも事実です。これは採用チームでもよく議論するテーマですが、整理すると次の二点にまとめられるでしょう。

一つは、自分で考えて行動し、その行動に責任が持てる人材。先が読めない〝VUCA時代〟といわれている今、デジタル革命やグローバル化といった急速な環境の変化で、これまでの常識がどんどん通用しなくなっています。そうした不確実性が高まっている状況では、あるものをそのまま受け入れるのでなく、常に自分の頭でしっかり考えた上で行動できる人材が求められます。

そしてもう一つは、好奇心や探究心を持って学び続けられる人材。変化の激しい状況で学ぶことを止めてしまうと、時代の流れについていけなくなってしまうでしょう。

この二つは当社に限らずいまの世の中で人材に求められる要件であり、必ず押さえておいてほしいと思います。その上で学生さんたちそれぞれが思い描く将来像を当社で実現できるようなマッチングがあれば、ぜひ当社に来てほしいと考えています。

 

早くから海外ビジネスの現場に触れられる豊富な研修制度

学びを求める人材に対しては、その熱意に応える制度が整えられています。手を挙げてやりたいと言えばどんどんチャレンジできる研修が豊富に整えられていますので、学びたいという意欲を持った人の期待に必ず応えられるでしょう。とりわけ研修を通じて世界各地のビジネス現場を見る機会が多数あることも、海外志向の強い学生さんに注目してほしい部分です。

まず新人短期海外研修では入社1年目の総合職全員を対象に、配属部署で選定した行き先に海外出張する短期海外研修を実施。続いて入社3年目以上10年目以下の社員が対象の海外チャレンジ制度では、毎年応募・選抜を経て約十名程度が各事業本部の注力地域に1年間語学留学し、2年目には現地拠点で実務研修を行います。またこうした制度とは別に、日常的に海外出張を行う部署が多く、入社数年後には、海外駐在などのチャンスもあります。そのほか、国内勤務も含めたローテーションを通じて様々な経験を積むキャリアプランも用意しています。

また当社ならではの新しい取り組みとして、採用担当が新入社員研修を行う仕組みが2019年から導入されました。多くの企業では新卒採用と新入社員研修は別個の制度として扱われ、それぞれの担当者も異なることが一般的です。しかし当社では採用活動を通じて新入社員一人ひとりを熟知した採用担当が研修にまで携わることで、それぞれの個性に合わせた対応が可能になりました。また入社1年ほど経過した時点で行う新入社員フォローアップ研修も、現場で感じている違和感やギャップをヒアリング・アンケートで汲み取った上で、やはり採用担当が行っています。

この制度にともなって、私自身も昨年から新入社員研修、新入社員フォローアップ研修を担当することになりました。選考を通じてずっと見てきただけに彼らとの距離が近く、入社後に感じていることも心情的によく分かります。それだけに我々としても非常にやりがいがいありますし、最大限のフォローをしていってあげたいと考えています。

⇒その

 


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