人事部発「学生たちに告ぐ!」

2021年02月12日

日鉄物産 人事部・人材開発課
土屋僚太郎さん(2)

商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。

 

オンラインで〝本音〟を伝えるための試行錯誤

2020年の春以降、当社の採用活動及び研修もコロナ禍の影響を大きく受けています。

前述した新入社員研修も、同年からは全てリモートでの実施となりました。入社式もリモートで開催しているので、新入社員全員が集まったのは前年の内定式が最後になります。新入社員研修後、どれくらいの頻度で出社するかどうかは、配属先次第。毎日出社する部署もあれば、週一出社で後はリモートという部署もあります。そこは現場の裁量に全て委ねる形で対応しています。

とりわけ2021年卒の場合で大変だったのは、採用活動の最終段階というタイミングでコロナ禍に見舞われたこと。ようやくこれから面接も含めて本格的に絞り込んでいこうという段階で、オンラインに切り替えざるを得ませんでした。

そうした困難に直面するなかで、人事部も日々ディスカッションを行い、試行錯誤を重ねています。

当社が採用活動にあたってモットーにしていることの一つが、〝本音で話す〟ことです。まずこちらが学生さんに選んでもらう立場という認識に立ち、当社の本当の部分、飾らないリアルな部分を伝えたいと考えています。最終的な選考に至るまでにお互いの理解がきちんと深まっていないと、双方にとって幸せな結論にならないからです。そのためには社員と会えるイベントを多数開催して、我々のことを包み隠さず話していく必要があります。

ところが2020年はその部分が全てリモートになりました。本来なら対面で直接理解を深めてもらっていたことを、どうやって画面越しに分かってもらうか。その答えとして主に取り組むことにしたのが、座談会。社員座談会などをたくさん企画して動画コンテンツにまとめ、学生さんに向けて配信するわけです。そのほかリモートで営業社員、採用担当、また内定者とフラットに会話できる座談会も企画し、好評を得ています。私も、会社に入って動画の撮影や編集をすることになるとは思っていませんでした(笑)。

こうしたさまざまな試行錯誤を通じて、リモートの利点についていろいろと気づかされたのも事実です。例えば座談会はこれまで、東京本社や大阪支社まで足を伸ばせる人限定でした。しかし今回は日本全国はもちろん、海外の学生さんにも参加してもらっています。

また座談会に登場する社員も、従来は本社勤務や大阪支社の人がメインでしたが、リモートのおかげで海外駐在員までつなげられるようになりました。海外商社パーソンの仕事・生活はリアルで大いに参考になったでしょう。このように場所という概念にとらわれないイベントを企画でき、我々としても新たな発見となっています。

 

ワークショップ・インターンシップで体感してほしい

当社の採用活動では、インターンシップも重視しています。まず2019年の例で言うと、7月から「1/2 DAY」として、半日のコンパクトなワークショップを北海道・東京・大阪などで順次開催。続けて8月下旬には「5DAYS」として、商社のビジネスを疑似体験するミッションに挑戦してもらう5日間のプログラムを東京本社で実施しました。

当社のインターンシップは選考とは直接関係なく、あくまで就業体験を通して、自分が商社業界に向いているかどうかを確認する場です。ですから、5DAYSインターンシップでは就業体験をベースとして、インターンシップ生が当社の社員に連絡してアポイントメントをとり、オンラインや対面などで直接話をする機会も設けています。私たち人事も日常業務についてありのままお伝えすることで、皆さんの就活やキャリア選択のサポートができればと考えています。インターンシップを経てそのまま応募してくれる人も多く、インターンシップで当社の理解を深めて、選考を突破し内定まで至る学生さんも毎年一定数います。

コロナ禍をふまえて、1/2DAYワークショップについては現状オンラインで実施をしています。半日間で商社理解ワーク、会社概要、座談会まで、多くのコンテンツを用意しています。

そのほか、多様性のある学生さんと出会うべく、外国人留学生や女性限定などのイベントにも多数出展しました。2021年卒の採用では、総合職全22名のうち、女性は3割を超える7名となりました。当社は女性活躍や次世代育成支援にも力を入れており、2018年には厚生労働省から女性活躍推進優良企業及び子育てサポート企業として認定され、「えるぼし」「くるみん」の認証を取得しています。

⇒その

 


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