岡谷鋼機 人事総務本部
名古屋人事総務部 人事室
杉坂恵里さん(2)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。
最終面接までオンラインで実施した2021年度採用
直近の2021年4月(2021年度)の新卒採用では、新型コロナ感染症対策のため面接選考の大半をオンラインで実施しました。2022年度新卒採用については状況の変化によって臨機応変に判断していきますが、対面とオンラインの二本立てを予定しています。最新の決定事項については当社の採用ページでご確認ください。なおエントリーされた方には、詳細をメールでご案内します。
当社への応募の入り口となるのは採用ページで行うウェブセミナーです。ウェブセミナーを見てアンケートに回答するとエントリーシートの提出が可能になります。ウェブセミナーは繰り返し見ることができ、開催地まで行かなくても済むという利点がありますので、以前と比べて商社という業界や岡谷鋼機という会社について、より幅広い学生により深く知ってもらう事が出来るようになりました。
エントリーした方は、社員懇談会(オンライン)に出席できます。出席は応募条件ではありませんが、当社に勤務する社員と話し合う場となるので、入社を志望する方は是非参加することをお勧めします。基本的にフリートークで、国内外問わず、入社3年目から10年目を少し超えるまでの若手から中堅社員が同席し、学生に仕事内容や日々の想いを語り、学生も次々と質問します。実施時間は1時間から2時間程度となり何度でも参加できます。
同時期に2種類の商社ビジネスセミナーを開催しています。これは当社の社員の話を基に作成したゲームにより、さまざまな相手と交渉しながら情報を得てビジネスを提案成立させていく過程を体験するもので、岡谷鋼機のリアルな仕事の現場が分かると好評です。
また他にも、女性総合職セミナー、理系限定セミナーも開催されており、社員それぞれがどのように活躍しながらキャリアを描いているのかなど、経験をしっかりと語ってもらうセミナーとなっています。
入社を希望する方の選考は、まずウェブテストで言語と計数能力の判定、行動特性検査をします。その後、例年行っていたグループディスカッションでは、一つのテーマについて参加者全員が話し合い、最後に結論をまとめて発表します。周囲の話をきちんと理解できる、議論の流れを把握している、人の意見を受けて自分の考えを論理的に伝えられるといったチームでのコミュニケーション能力を見ています。個人面接は一次面接から部長面接、最終の役員面接まで複数回行います。なお部長面接の前には、あるテーマについての考えを尋ねる簡単なコミュニケーションシートを提出していただいています。
どの段階の面接でも、何に興味を持ち、ものごとをいかに広くとらえ深く考えているかを知るために、質問に対する答えをさらに深く掘り下げて聞いていきます。岡谷鋼機という会社への理解と、自分自身という人間への理解を深めておくことが前提ですが、必要以上に答えを準備してくる学生も目立ちます。それではどういう人物なのか実際のところがよく分からず、相互理解を深めることができずに終わってしまいますので、構えずに自然体のまま素直に受け答えをしてもらう方が良いと思います。
3日間のインターンシップについては、従来は対面での営業同行を行い、営業現場の業務を体感できる内容でした。コロナ禍では、全てのプログラムをオンラインで実施しています。国内・海外の営業社員とコミュニケーション取りながら、グループワークを通して商社の営業を体感できるプログラムとして、夏・秋・1月・2月の計4回実施しています
入社後の人材育成と女性社員への支援
2021年4月入社予定の総合職内定者は26名で、うち女性が5名、理系出身が7名でした。
総合職の内定者には、入社までに日商簿記検定三級を取得し、TOEICのスコア650点以上を取ってもらいます。入社後は数か月の集合研修を行う予定です。岡谷鋼機では2020年度を最終年度とする新中期計画「GiH-2020」で海外取引比率を拡大する目標を掲げ、世界で活躍できるグローバル人材の育成を入社1年目から後押ししています。通信教育やオンラインの英会話コース、社内で実施する講師と一対一の語学講座など、英語だけでもさまざまなコースがあります。また語学に限らず通信教育、社外ビジネススクール派遣等、自己啓発プログラムも充実しており、社員一人ひとりが自己成長を志向しています。
女性が働きやすく活躍し続ける環境づくりは会社全体で進めており、育児休業や短時間勤務、育児フレックス勤務などの制度は、法律で定められた枠を超えて自由度の高い内容となっています。産前産後には復帰後のキャリアについて話し合う事を目的に、上司、人事、本人の三者面談を実施しています。結婚や出産、育児という人生の節目を安心して迎えられるように、こうした支援制度は引き続きブラッシュアップしていきます。なお当社の女性総合職は4分の1がワーキングマザーで、活躍の場は営業部門、管理部門を問わず所属しています。女性の管理職も複数人います。
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