伊藤忠丸紅鉄鋼
人事総務部 人事企画チーム
奥町遼太郎さん(1)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。
その「商い」にこだわる―。
2021年入社の新卒採用活動において、伊藤忠丸紅鉄鋼【Marubeni-Itochu Steel Inc.(MISI)】では、この言葉を採用コンセプトとして掲げました。なぜなら、これはMISIの強みやMISIで働く社員たちの誇りを凝縮した言葉だからです。
MISIは、21世紀が幕を開けた2001年の10月、近江商人・伊藤忠兵衛を創業者とする2つの総合商社、伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼部門統合により誕生しました。以来、歴史を積み重ね、今年20年を迎えたMISIは、両社の重要な事業分野を担う独立企業として、さらに機能的には両社の企業文化を融合した〝総合商社そのもの〟として広く認識されてきました。しかし、それは単に私たちMISIの源流が総合商社にあるからではなく、MISI自体が世界の鉄鋼市場にベストなソリューションを提供できる多彩な機能を有しているからです。
MISIでは、総合商社の伝統的ビジネスである商品取引やトレーディング機能を根幹としつつ、世界各地に数多くの拠点を持つことで的確なマーケット情報を収集できる「ネットワーク機能」、国際プロジェクトに参画して数多くの関係者をまとめあげる「オーガナイズ機能」、地球規模で物流網を構築し最適最良な物流システムを構築する「ロジスティクス機能」、巨額なビジネスを積極的に推進するための「ファイナンス機能」、グローバル人材を投入して事業拡大できる「ビジネス展開機能」などを併せ持ち、その機能を複合的かつ有機的に組み合わせることで鉄鋼に関する幅広いビジネスを行っています。つまり「鉄」という商材を取り巻くあらゆるビジネスチャンスに関して、万全の自信を持ってチャレンジできる総合力を備えているのが、MISIなのです。
また、MISIの総合力とは、こうした機能面だけにはとどまりません。MISIの多彩な機能をフル活用しビジネスの成果へとつなげていく、いわゆるMISIパーソン一人ひとりに備わった〝鉄鋼プロフェッショナルとしての総合力〟もMISIの強力かつ不可欠な個性です。総合商社のように巨大な組織の場合、個人が担う部分は往々にして限定されてしまいがちですが、バランスの取れた企業規模でビジネスを展開するMISIでは、若手のうちから積極的に最前線の現場を経験し、自らの裁量で商談を進めることも少なくありません。そこで必要とされる商材や業界に関する様々な知識を「MISIスクール」など独自の研修システムでいち早く身につけ実践することで、よりスピード感のある成長ができます。また、通常入社後一年目にタイで実施される鉄鋼サプライチェーンを間近で見ることのできる短期海外研修をはじめ、半年から1年の海外実務研修や海外語学研修、3〜5年間の海外駐在など、入社10年以内のグローバル人材育成スキームは徹底しており、鉄鋼プロフェッショナルとしての総合力が、より早く、深く、幅広く、培われていきます。
このようにMISIには多彩な機能と、それを使いこなす個性豊かなMISIパーソンの精鋭たちがいます。そしてこの2つの相乗効果によって、「総合商社」とは一線を画した「総合力を誇る鉄鋼商社」を作り上げたのです。
ご存じのように総合商社は多種多様な商材を取り扱いますが、その中で一人の社員が携われるのは、ほとんどの場合、一つの商材に限られます。MISIの場合には、それが〝鉄〟です。この商材は、とてつもなく大きな規模のビジネスフィールドを持ちます。それは、鉄鋼が重厚長大な産業だからではなく、私たちの暮らしのあらゆる場面で使用され、日々欠かすことのできないニーズの高い商材だからです。例えば日常的に使うテレビ、冷蔵庫、エアコンといった家電や、私たちの暮らす家、マンションなどの住宅設備から道路や橋梁などの社会インフラ、自動車や電車、船、飛行機などの交通機関、発電用プラントや原油・天然ガスの掘削といったエネルギー開発分野など、あらゆる領域で鉄は必要とされています。だからこそ、地球上のすべての国・地域がMISIの広大なビジネスフィールドであり、そこには語り尽くせないほどの〝やりがい〟があるのです。そしてこの鉄の「商い」に徹底的にこだわり、最高のパフォーマンスを発揮し続けることこそ、冒頭に申し上げたMISIという商社の強みであり、すべてのMISIパーソンの誇りなのです。
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