ダイワボウ情報システム
人事総務部 人材開発課
番匠谷しのぶさん(1)
商社は学生のどこを見て、何を感じて内定を出すのか――。
その疑問に答えるべく、日本を代表する商社の人事部採用担当者にご登場いただき、最近の学生像や求める人材について語ってもらった。
コロナ禍でIT専門商社が求められる役割
特定のメーカーに特化することなく、独立系のマルチベンダーとして世界のメーカー1200社の商品・サービスを取り扱う私たちダイワボウ情報システム(DIS)は、情報化社会の発展に貢献するIT関連専門商社として、高度化・多様化するお客様のニーズに対し、タイムリーに応えて参りました。パソコン、スマホ、ソフトウェアに通信・クラウドまで、およそ約220万のアイテムを扱えるのは、トップディストリビューターである当社の強みと言えます。
劇的な進化を続けるIT業界の中で、お客様のあらゆる要望に的確に応じ、それぞれの特徴や機能を活かした商品をコーディネートするのが、当社の社員の役割です。強い好奇心やチャレンジ精神、柔軟性や対応力、そしてコミュニケーション能力が必要とされることは言うまでもありません。
さらに現在、世界的な新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、多くの人がビジネスとの向き合い方を変化させざるを得ない状況に直面しています。先進各国と比較して、日本のIT化は遅れを取っている状況です。とくにビジネスの現場ではアナログから脱していない業界も少なくはありません。もちろん、アナログによってビジネスが円滑に回る場合には問題はありません。しかし少子高齢化や災害、そして今回のコロナ禍のように、アナログが使えなくなった時、ビジネスを止めないためにはITへの投資が不可欠となります。しかし一方では、IT化のために何から着手すればよいのか分からないお客様も多いのが現状です。
そんなときに出番となるのがIT専門商社であるDISです。最新技術を駆使したIT商品やシステムを分かりやすくかみ砕いてお客様に提案していく。当社の営業パーソンには、お客様の立場に立ってより良い商品を考え提案していく力も不可欠となります。IT化により人の暮らしをサポートし、緊急時でもビジネスの後押しができる便利な最新技術を提案し、国内のIT市場の発展に努める。それでも、表にDISの名前が登場することは稀です。私たちは黒子に徹した仕事を求められることがほとんどです。しかし、私たちの使命は非常に大きなものであり、それが奇しくもコロナ禍によって明確になりました。ただ単にモノを売るだけではなく、それを使って暮らしやビジネスをどう便利にしていくのかまでを提案することが、より一層求められています。当社の社員には、多くの学びが必要となるでしょう。しかしその分、社会への貢献度ややりがいは、これまでと比べものにならないほど大きくなるはずです。
全力疾走しながら頭では熟考できること
商社で働くということは、一匹狼的に仕事を進めるイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。しかし、それは大きな誤りです。取り扱う商材が何であれ、自分ひとりだけで完結するような仕事は存在しません。当社はIT関連のメーカーや販売店など、様々な立場にある人たちと知恵を出し合い、ビジネスを作っていきます。そして、Face・to・Faceで共同作業を行うためには、相手に安心と信頼をもたらす〝人間力〟が不可欠になります。自分本位ではなく、いかに相手の立場に立って物事を考えられるかが、ビジネスを展開していく中で重要な鍵となってきます。それこそが、お客様の暮らしやビジネスをよりよくする提案へとつながっていくためです。
そして、広い視野を持ちながらあらゆる場面で臨機応変に対応できることも、商社の営業に求められる一つの要素と言えます。目まぐるしく変化するITという世界の中で、歩みを止めることなく常に走り続けながら、頭の中では深く物事を考える。これが、当社の求める人材像となります。「走りつつ考えよう」という社訓の通り、独りよがりで突っ走るだけではいけない。その一方で、考えているだけで動かないのでは意味がない。高度なバランス感覚が求められるDISの社員には、①コミュニケーション能力 ②明るく前向きなこと ③バイタリティがあること ④常に自己を成長させようとする上昇志向を持っていただきたいと考えています。
コロナ禍にあっても、当社の業績は順調です。その要因には、ITという今もっとも求められている商材を扱っていることはもちろんですが、社内各部署との連携から生まれるチーム力の高さも挙げられます。営業事務であるセールスアドバイザーは、内勤の立場で営業活動をバックアップし、その手腕ひとつで重要な案件の受注達成をも左右しかねない重要な役割を担います。サポート次第で売上も顧客満足度も変わるため、営業との密な連携が不可欠です。一方、営業もセールスアドバイザーのバックアップに応え、何が何でも案件を受注しようとする行動力と粘り強さが求められます。営業一人の力ではできないことも、チームで取り組めば越えられない壁はありません。上司や部下、同僚たちと連携しながら顧客満足度を追求しているのです。そんなチーム力を存分に活用するためには、高いコミュニケーション能力も必要とされるでしょう。
加速度的に進化するITを商材とする私たちには、積極的に新しい分野に挑戦していく〝バイタリティ〟も求められます。現状に満足せず、自分と会社の両方を成長させてやろうという〝上昇志向〟がなければ、ITの波に乗っていくことは難しい。これは言い換えると、柔軟でエネルギッシュで何でも吸収してやろうという貪欲さを持つ人、とりわけ若い社員こそが、リーダーシップを発揮しながら大きなビジネスを動かすことのできるフィールドがDISにはあるということになります。そんな環境を楽しみ、やりがいを感じる人を当社は求めています。
私個人の感想ですが、学生の中には失敗体験をしないまま成長したことで、失敗することを極端に恐れる人が増えているように見受けられます。商社の営業には、プレッシャーから逃げるのではなく、前向きに受け止めながら成長を遂げていく力も求められます。そのためにも、〝明るく、前向き〟であることが大切です。失敗をしても、それをひとつ〝ネタ〟ができたと受け止めて、笑い話にしながら相手の興味を惹きつける。そんな図太さがあってもいいと思います。
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